この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その7
ブーーーーーーーン・・・・。
「偵察機から連絡。10時方向に敵影を確認!軽巡1、駆逐2!」
「各自装備確認。戦闘準備!」
艦載機からの報告を受けた鳥海からの情報で磯波が戦闘準備の指示を出す。偵察機から報告どおり、進行方向に敵影を確認した磯波達は砲撃を開始した。
「今日はとてもスムーズに運べましたね」
「フフフ、見たかしら潮。私の華麗なる砲撃を!ああ、北上さんが私を褒めてくれているわ」
「うわぁ・・・・・・」
潮が大井の反応に引いている。戦闘で大勝した時や漁船警備で損害を出さなかった時は、ほぼ確実に自分の世界に大井はトリップする。
「提督。やはり水上機を使った索敵により、戦闘への導入が楽になったようです」
「一回の戦闘でそう判断はできないさ。漁船警備でも使用して感覚を掴んでもらおう。資材が溜まり次第、あの海域へ出撃しよう」
――― 数日後 ―――
磯波達4人は例の海域を進んでいた。鳥海から零式水上偵察機が飛び立つ。水上機からの索敵情報は艦隊の進行方向を定めるのにも非常に役立っていた。
「艦載機より入電!3時の方向に敵影あり!」
「進行方向と敵艦隊の規模は?」
「艦影は3隻。進行方向はそのまま3時方向です」
「それでしたらこのまま前進。敵が反転しこちらへ向かってこない限り無視しましょう」
「成程、弾薬の節約ね」
「そうです。私達の目標はこの海域の主力艦隊の撃破なので、それ以外で避けられる戦闘は避けた方がいいです」
「コンディションが高いほうが敵も倒しやすいですからね」
指定海域に潜む敵艦隊を殲滅する大規模な作戦が行われるのは稀である。そもそも斉藤達のような泡末提督には海域の殲滅等は最初っから期待されておらず、指定海域の主力艦隊を叩ければそれでよしという感じであった。その中で素晴らしい戦果を残す艦隊は中央に引き抜かれ、優秀な艦隊として横須賀所属や奄美大島等に転属する事がたまに起きる。出世は誰しもの夢であるが、戦争を生き延びるためには必ずしもそうとは言い切れない。奄美大島に配属された日には、沖縄が目と鼻の先なのだ。深海棲艦がいつ攻めてくるかと毎日、気が気でなくなるだろう。
ブーーーーーーーン・・・・・・・・・。
鳥海が偵察機を放つ。小規模な艦隊を見つけてからというものの、新たに敵影は見つからない状況が続いていた。燃料が入ったドラム缶とドス黒い大きな雲が遠くに見えた事だけであった。風向きから嵐は来ないと考え、引き続き捜索を行っていた。
「!!。艦載機より入電!5つの敵影を確認!」
「5つ!この間の主力艦隊でしょうか?」
「戦艦クラス及び雷巡クラスを確認!おそらく、この間遭遇した艦隊かと」
「この間のリベンジマッチね!」
「敵の進行方向はわかりますか?」
「敵艦隊はこのまま南西方向、7時の方角に向かっています」
「それなら、私達はこのまま進んでT字線で迎え撃ちましょう」
磯波達は相手の砲撃が不利となる形のT字線で迎え撃つ事に決めた。程なくして敵艦隊を右舷の方角に確認し、戦闘へと移行した。相手の敵艦隊は前回、手痛い目にあった戦艦ル級や雷巡チ級を中心とした艦隊だ。
「まずは戦艦の後ろにいる雷巡から倒しましょう!大井さん、鳥海さん、お願いします!」
「見てなさい!この間のお返しよ!」
「砲撃用意!」
大井と鳥海が身構えるがまず先に戦艦からの砲撃を避けなければならない。速度を落とし、相手の砲撃を待つ。
続く