この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その5
3日後、その海域に出撃した磯波達4人はボロボロの状態で帰ってきた。大井と鳥海は中破状態。磯波と潮を大破状態。特に磯波は大井に肩を担がれた状態で戻ってくるといったRPGで例えるならHP1の状態であった。入渠施設は2つしか使えないため、大破状態の磯波と潮を先に入渠させる事とし、入渠施設が空くまで大井と鳥海から今回の出撃の状況を伺う事にした。
「状況を整理しよう。今回は深海棲艦の主力部隊と思しき部隊と直接出会って戦闘になった。で、よかったな」
「はい。進撃途中で上空に深海棲艦の偵察機を発見したため、その偵察機を追った所、今回の主力部隊と思しき部隊と遭遇しました」
「そして、今回の出撃においてこちらがボロボロにされる主な要因とは?」
「敵の戦艦タイプよ」
戦艦ル級。深海棲艦の中で最もよく見かける戦艦タイプだ。同じ戦艦タイプでも高速を売りにするタ級もおり、それぞれ力のル級、足のタ級と区別されている。今回遭遇したのはル級の方である。戦闘を開始したものの射程で有利なタ級の先制攻撃により、潮が大破状態にされてしまう。反撃をするも随伴している相手の駆逐艦クラスにル級への攻撃をかばわれてしまい、ル級へのダメージは与えられずに終わり、その後のル級の攻撃で鳥海が中破状態にされてしまい、いくら重巡といえども攻撃力が落ちた状態では、相手のチ級の魚雷発射を不能にする状態まで損害を与える事は叶わず、雷撃戦で大井と磯波がそれぞれ大ダメージを受ける羽目になり、一目散に逃げて帰ってという事であった。一応の戦果としては、軽巡ヘ級を小破、駆逐イ級を1隻撃沈しただけであった。
「提督。戦艦の主砲による攻撃は、至近弾以外ではどのような艦でも損害は免れません。駆逐艦等、速さによる回避主体の艦では至近弾でも何かしらの損害がほぼ出ます」
「撃たれる前に撃って撃破。と言いたいが今の艦隊状況ではそれはできないな。先に戦艦だけ撃たして、再装填している間に攻撃するのが理想だな」
「攻撃するにしても、私や磯波、潮の砲では有効な打撃を与えられるとは思えないわ。一斉に射撃しても、せいぜい武器破壊程度かしらね」
「駆逐や軽巡が戦艦クラスを沈めるには夜戦まで粘らないとできないはずだ。それを踏まえて、戦艦の攻撃を掻い潜りながら、随伴艦を沈める方がよさそうだ。戦艦は余力を見て夜戦で仕留めよう。先日、明石に零式水上偵察機の作成をお願いしている。それができれば、もう少しは戦いやすくなるだろう」
「それでボーキサイトの量が減っていたんですね」
斉藤と中破状態の大井と鳥海でこの海域の攻略作戦を練る。戦艦の攻撃をかわしつつ、随伴艦から片付けていく方針で固めたようだ。数では相手が上回るため、攻撃では確実に一撃でしとめる必要がある。作戦の方針がほぼ固まった所で潮が作戦室に戻ってきたので、交代で大井が入る事になった。この日の運営は各艦娘のコンディションを回復を努めるだけで終わった。
続く
PR