この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その6
「零式水上偵察機、中々できませんね」
「そろそろ完成しそうな雰囲気もありそうですが・・・」
調理場兼食堂で磯波と潮が魚を捌きながら、昨日の作戦会議で話した事について話していた。磯波は昨日戻ってきてからというもの、入渠施設で元のコンディションに戻るまで、ずっとのびていたのであった。そのため、戦艦は夜戦まで放っておく。日が出ている間に随伴艦を倒すという事を聞けなかったのである。
「私達にそれは装備できないわよ」
大井が発泡スチロールの箱を抱えて入ってくる。中はもちろん、おすそわけの魚である。
「それと1つお知らせ。その偵察機、さっき完成したそうよ」
「ええ、本当ですか?」
「もちろん、さっき大淀が鳥海を呼びに行ったわよ」
零式水上偵察機が出来たという事は、近く再出撃があると言う事だ。呑気に干物を作っている場合ではなくなるだろう。
「魚が小さいわね。これじゃあ揚げ物にするしかないわね」
そんな空気の中、大井は箱の中身を見て呟いていた。
ブーーーーーーーン・・・・・・。
気持ちよく晴れた空に緑色の水上機が港上空を旋回している。港の水面に鳥海が偽装をつけて立っている。
「どうだ?水上機の調子は?」
「司令官さん、中々のいい感じです。多分、前に使っていた経験が残っているのだと思います」
海の上に佇む鳥海に手漕ぎボートで斉藤が様子を見に来た。どのような感覚かはわからないが、水上機と艦娘はリンクしており、水上機から得た情報はすぐに艦娘に伝わるというのだ。頭の中にモニターが映っているのが見えるのだろうか。
「一度、実戦で水上機の錬度も上げておいた方がいいだろう。近く、以前の海域に出撃するようにしよう」
水上機自体にも熟練度がある。実戦で使用すれば使用するほど、熟練度が上昇し、性能が上がるのである。実際にコロボックルが乗り込んでいるのを見たので、コロボックルの操作技術が上がるためだろう。早速、出撃の予定が組み立てられ、鎮守府近海の海域に出撃した。
続く
PR