東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode 5 ~【小説版】
第5章・艶美な妖花・その4
「あれだけ意気込んで向かったというのにこのザマは何だ!?まともに攻撃があたってすらいないではないか!」
どうやらあのマンドラ族は、大治郎達に攻撃をしかけたマンドラ族の行動に我慢できずに出てきたようだ。
大「おい、不知火。あのマンドラ族は誰だ?」
不「大治郎さん、大変な事になりました。あれはマンドラ族の族長です。戦闘になったら私では止められません。くれぐれも刺激するような事は避けてください」
大「それは難しいぞ。どうみてもこの場を鎮めようとして出てきたわけではなさそうだぞ」
そのやりとりを聞いていたのか、ギロリと鋭い目つきをこちらに向ける。
「おい、キツネ!出てこい!」
不「な、何でしょうかセラッグ様」
不知火が“セラッグ様”と発言した事で2人の上下関係は大体は把握した。不知火だと止められないのは間違いではなさそうだ。セラッグから伸びて来た触手は、車の窓ガラスを叩き割って不知火を引きずり出す。
セ「今回の一連の騒動で、よくも私達を除け者にしてくれたわねぇ~。趣旨を聞いた所、今回は死人を出してはいけないという事じゃないか。私達がどこぞのワーム族みたいに、のべつまくなしでヒトを喰いまくるとでも思っていたのかい!?」
不「お怒りなのは心中お察しいたしますが、生憎、私は選考作業には関わっていないのでそれ以上は何とも言えません。それにしても私達がよくここを通る事がわかりましたね」
セ「タレコミがあったのさ。“私の弟”がここを通るから適当にあしらっても構わないってね。私達の適当ってどういう意味か理解していると思うけどね」
不「それはつまり・・・・・・」
セ「死ぬかもしれないって事よ!」
そう叫ぶと不知火を触手で簀巻きのようにぐるぐる巻きにして、大治郎達に向き直る。
セ「さあ、先に進みたければ私を満足させな!」
大「いいだろう。そちらが大将ならこちらも大将がお相手しよう」
チェ「周りの相手は私達に任せてください!」
ソ「エキシビジョンマッチというなら手加減はいらないわね」
続く
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