この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。
佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その4
翌日、九州指令本部から新たな海域への出撃許可が下りたと連絡を受けた。その決定に一同は喜んだものの、この間の鎮守府火災事件の影響により資源の大多数が焼失したため、カツカツの状態であった。大淀の話によれば別の艦隊を使った遠征業務が有るらしい。しかし、この業務を行うためには2番目の艦隊編成許可を受けた上に一定の数の艦娘を揃えて送り出さなければならない。満足に艦娘を配備する事がままならない佐潟鎮守府にとっては夢のまた夢の話であった。斉藤は干物を齧りながら、資材備蓄状況を眺めている。ボーキサイトの量だけ他の資材よりは余っている状況だ。それもそのはず。現在のこの鎮守府においてボーキサイトを使用する状況は限定的なため、他の資材よりかは溜まっているのだ。斉藤は腰を上げ、工廠にいる明石の所に向かった。
「明石、ボーキサイトで何か作れないか?」
「ボーキサイトですか?主に艦載機や電探を作る時に使用しますね。ただ、空母の艦娘はまだいないですね。
「零式水上偵察機がカタログにあっただろ?あれなら、鳥海が装備できるじゃないか。それがあるだけで索敵が随分と変わるだろう?」
「そうですね。ボーキサイトはそれなりに有りますが、その他の資材の量は少ないのでそれが丁度いいですね。では、作りますので完成しましたらお知らせしますね」
執務室に戻りながら斉藤は考えていた。資材の供給が少ない中、鎮守府が燃えると言う未曾有の緊急事態を乗り越え、3つ目の海域の出撃許可が出たまでは来た。しかし、このくらいの出撃許可は珍しくともなんともない。他の鎮守府では1艦隊に駆逐艦や軽巡洋艦を合計6隻配備して突破している報告はよく見かける。資材の供給が普通の所は、開発で頭数を揃えて力押しで超えられる所なのだ。そこと比べたら佐潟鎮守府は他と何が違うのか?ただ単に重巡を加えた4隻で突破したという点だけであり、他の鎮守府と差をつける要素はまったくないのであった。一日に届く資材の供給状況から新しい海域への出撃は3日後と設定した。
続く
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