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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その65~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第9章・その4

 執務室に駆け込んできた大井と潮からの説明により、定置網に引っ掛かっていた女性は意識を取り戻した事を知った斉藤達は大淀に女性の身元をヒアリングするように命じた。大淀が仮説していた艦娘で有る事はこれで確定した。普通の人間ならばとっくに水死体になっているはずだ。さらに驚いたのが、彼女は正規空母の瑞鶴だというのだ。航空戦力を望んでいた斉藤達にとっては願ったり叶ったりであるが、
 「話が上手くできすぎている。オンボロ鎮守府に配属された不運からの巡り巡っての幸運か?それとも何かの罠か?」
 と斉藤は怪しむ始末。念のため、熊本の菊地提督に瑞鶴を最近、喪失した鎮守府がないか確認をしてもらったが、該当する鎮守府は見つからなかった。そのため、佐潟鎮守府に瑞鶴が配属される事となった。
 「本当にやられる前の事は覚えていないのかい?」
 「はい。気がついたらここに」
 「そうか仕方ない。覚えていない事を聞いても仕方ない。今、君の服や装備は陳情しておいた。数日中に届くはずだ。それまで、周辺施設の場所を覚えておくと良いだろう。コンビニと駅の位置を覚えておけばこの田舎では十分だ」
 「提督さん。気になることがあるんですが、何故、ここの鎮守府はボロボロなんですか?」
 「最初に自分達が配属された時点からここはオンボロだ。しかもこの間は落雷による火災が発生してこことこの下を残して焼け落ちてしまった。プレハブ部分が混在している謎建築になっているのはその所為だ」
 「ええ・・・嘘・・・」
 「嘘ではない。さらにこの鎮守府だけなのかどうかはわからないが、戦況が悪化していないのにも関わらず、陳情した物資が遅配される事もしょっちゅうだ」
 それを聞いて瑞鶴はこめかみを押さえた。まさか、九死に一生得たといっても過言ではなかった状況であったが、流れ着いたのはまさかの干物の臭いが染み付いているオンボロ鎮守府であった。自分の格好は、Tシャツと長ズボンのジャージ姿だ。彼女が佐潟鎮守府・6番目の艦娘として活動できるのはもう少し先であった。
 「みなさ~ん。食事の用意が出来ましたよ。今日は久しぶりのお米がありますよ~」
 「お米といってもお赤飯ですけどね」
 久しぶりのお米と聞いて、瑞鶴はゾッとした。ここは普通の鎮守府ではない。何もかも極限の状態にあるかもしれないと。これからの期待と不安を抱えながら瑞鶴は食堂に向かっていった。
 
オンボロ鎮守府・終わり
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東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第7章・その4

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第7章 いわれなき大騒動・その4

 振り下ろした刀を手甲が受け止め、動きが止まる。受け止めた時の衝撃により、カズサのマントや大治郎の服が靡く。一瞬の静寂が訪れた直後、刃を滑らせるように大治郎の刀を捌き、踏み込みと同時に掌底を突き出す。
ドンッ!
 カズサを中心に音が発せられ、大治郎が後ろへと飛ばされる。
 「翔波拳!」
 カズサが両手の掌を突き出すと同時に青色の気弾を飛ばす。周囲に衝撃波を発し、相手を弾き飛ばす気合砲と気弾を放つ翔波拳だ。特に翔波拳は格闘技としてはポピュラーだ。格闘を戦闘の術とする者なら誰もが最初に覚えるほどだ。その影響か派生技も多く編み出されている。
 「さすが王と言われるだけであるな。何か、そう、特別な流派の格闘術を扱っているようだな」
 「左様。私が扱う格闘術は代々、祖先から受け継がれてきた流派。サウザント流といえばいいかな。行くぞ!」
 そう叫ぶと同時にすばやく距離をつめ、正拳突きを繰り出す。その動きに大治郎は素早く身を翻し、回転させながら斬りつける。遠心力をかけたカウンター攻撃である。しかし、その動きをカズサは予見していたのようで、前方にそのまま飛び込み低い姿勢から昇炎脚を放ってくる。お互いに攻撃を繰り出せば防御という行動を繰り返しの撃ち合いが続いた。
 (あのカズサという王様の動き。少し攻めという形じゃないわね)
 先程から戦闘を見学している紗江はカズサの動きを注視していた。大治郎とカズサ、それぞれの攻撃の比率を表すなら大治郎が4回攻撃する間に1回攻撃の動作を行うのだ。だが、ただ4回動く間に1回しか動けていないわけではない。その間はずっと防御に徹しているのだ。
 「ちょっとセレス。このままだと、一方的に押し負けてしまうぞ。あの距離での攻防だと精霊術も使えない」
 「なら、どうするの?乱入でもする?私達が出た所で五分五分になるかどうかも怪しいわよ」
 「こそこそしてないで出てきたらどう?」
 謁見の間の脇で覗き見をしていたセレスが突然、胸倉を掴まれ引き摺りこまれる。
 「見学するのは自由だけど、邪魔をする気なら私があなた達を叩き伏せるわよ」
 紗江に睨まれ、2人は大人しくなった。
 「いつの間にかギャラリーが増えたようだな」
 「そうだな。そっちは俺の攻撃を極力防いで、こちらのスタミナ切れを狙っているようだが、生憎その手は通用しないぞ」
 実際、大治郎は激しい撃ち合いでも息を全く切らしていない。
 「どうやら、腕の1本や2本ではなく、足の1本までも覚悟しないといけないようだな」
 「そろそろ、決着をつけるか。もうすぐ、夜になるからな。その前に済ませたいものだ」

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その64~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第9章・その3

 鎮守府内に運び込み、入渠施設に安置した後、高速修復材を投げ入れて様子を見始めた。途中で実況検分に来た警察がやってきたが、艦娘ではないとわかった時に改めて連絡すると再三、斉藤が説明する事により、事なきを得た。むしろ、警察も最近は色々と忙しいため、いちいち土左衛門の身元確認に時間を割いていられないのだろう。海で死体が見つかるのは、深海棲艦が出現してから珍しい事ではなくなった。
 『数ヶ月以上前に、重巡以上の艦娘で撃沈の報告が入っていないかって?』
 執務室では、斉藤が菊地に連絡を行っていた。
 「ああ。こっちの大淀の見解では重巡以上のクラスであるとの事だ。だが、毎朝に届く通信文書に、ここ最近、重巡クラス以上の沈没情報は入っていないのだ。それに、服の歯切れもついていない完全な素っ裸だ。ここ最近、やられたとは思えない」
『服が完全にないとすれば、数ヶ月と言う話ではないな。それ以上だ。小笠原撤退戦の折に、多数の艦娘がやられた中には、重巡クラス以上の物も含まれているのはたしかだ。もし、その小笠原撤退戦の時にやられた艦娘なら、今まで深海棲艦に見つからず海を漂っていた事こそ奇跡だろう』
 小笠原から南に流されれば、そこから黒潮繋がる海流にのる事できる。あの艦娘と思しき女性はそれでずっと流れてきたのだろうか。彼女が目を覚ましたら色々と話を聞きたいが、流される前の事を覚えているかはわからなった。
 
 「大井さん。交代の時間ですよ」
 「やっと交代?待ちくたびれたわ。まったく、誰が四六時中見張れって言ったのよ。出撃ならともかく、夜は寝てたいのに」
 朝の6時。日差しが差し込み始めた入渠施設の一角で大井と潮がいた。深夜2時から6時までの間、大井が見ていたのだ。
 「どうですか、この人の様子は?」
 「どうもこうもないわよ。交代してからあなたが来るまでピクリとも動かなかったわ」
 「やっぱり、だめなんですかね」
 「さあ、どうかしら?私達艦娘は、普通の人間とは少し違うから何日も海を漂っていて平気何じゃないかしら?・・・・・・さっさと起きなさいよ、この寝坊助。私が北上さんと会う貴重な時間を使ってあげたのよ。ええ?」
 愚痴をこぼしながら、娘の頭をポカポカと叩く。
 「お、大井さん!いきなり何するんですか!?」
 潮が慌てて大井の手を掴む。ショック療法かもしれないが、このまま大井のストレスが溜まると電気ショックもやりかねない勢いだ。
 「放しなさい潮。この寝坊助をいい加減起こしてやらないと。私達の生活に影響が出るわよ。・・・いい加減にしなさい。起きないと解体処分するように具申するわよ」
 また、愚痴をこぼしながらポカポカと叩く
 「うう・・・」
 呻き声を上げ、目を開けた娘を見て、二人の動きは止まるのであった。

続く。

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第7章・その3

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第7章 いわれなき大騒動・その3

 「これは私の字では無いな。と、いう事は私が置いた手紙は差し替えられた訳だな」
 「は?差し替えたですって?一体誰がそんな事をしたというの?何の得があって?」
 「この文字には見覚えがある。私の姉の文字だ」
 姉という言葉に2人は驚いた。サウザント・リーフ王国の王に姉がいるという話は全く耳に入って来なかったからだ。
 「君の姉が手紙をすりかえて何の得があるかはわからないが、クラル王国の上層部は混乱し自分達がここまで出張る事となってしまった事には変わりはない」
 「もういいわよ、兄さん。何はともあれさっさと倒して、クラル姫を連れて帰りましょう。まさか、自国の兵士達がボコボコにされたのにもかかわらず、自分は何もせずにクラル姫を返したら、臣民に示しが思うからさ」
 「そちらから仕掛けてくるとは随分と大胆だな。折角の機会だ。手合わせを願おうか!」
 「・・・セレス参謀。よろしいのですか?王様を援護しなくて」
 「いいのよ。これ以上、私達が入った所で生傷が増えるだけよ。物陰から黙って見ているだけでいいわよ」
 追いかけて来た兵士達に戦闘中止を命じたセレスが兵士達と物陰から、カズサと大治郎の戦闘を見物しようとしていた。
 「ここまで来てしまったか。もうすぐこの騒動は終わると思うが、この後が恐いぞ。なんせ、自総研の2人を引っ張り出してしまったんだから」
 「その事については私達が心配する必要はないわよ。しっかり責任を取ると言っていたんだから、しっかりやってもらいましょ」
 「そういう所は淡白だな、セレスは」
追いついてきた月崎が会話に割り込む。目線の先では、カズサと大治郎が戦闘を開始していた。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その63~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第9章・その2

 作業が一段落した昼過ぎであるが、何やら漁港側が騒がしい。様子を見に行った磯波が慌てて戻ってくる。
 「提督!大変です!沖に仕掛けていた定置網に女性がかかっていたと!」
 その事を聞いた全員は“何だって!!”という表情を浮かべた。昨今、客船や貨物船が深海棲艦に襲われる事は珍しいことではなくなった。いくら軍艦や艦娘が護衛をしていても不幸にも沈んでしまう船は出てしまっている。その定置網に引っ掛かった女性もその不幸な犠牲者であろう。
 「仕方ない。警察やらが到着するまで、我々が面倒を見ておくか。一応、鎮守府近辺の事だから無関心ではあってはならないだろう。大淀、すまないが一緒に来てくれないか?」
 もっともらしい事を言っているが、作業から離れたい口実かもしれない。
 「ああ、提督さんか。難儀なこったべ。親から漁業を引き継いでこれまでやっていたが、こんな事は始めてだ。女の子が引っかかっているときは吃驚しただた」
 「そんな事、そう簡単には起こりませんからね。今の時代、深海棲艦に襲われて沈んだ船の乗組員は死体すら見つかりませんからね。で、その幸運な仏さんはどこですか?」
 「ああ、あっちだべ」
 鮫島さんが指差した方角に、布に包まれた物が見える。
 「済まないがお顔を拝見させていただきますよ」
 顔にかかっている布を取ると、仏さんの顔が現れる。見た所女性の顔が顔は綺麗でまったく傷跡がない。
 「何か妙ですね。溺れたという割には、外傷も特にない上に全然身体がふやけたりしていませんね。・・・あれ?角膜が濁っていない」
 実況検分は警察の仕事だが何かしら違和感を感じ取ったのか大淀が何やら身体を調べ始める。普通、水死体は死後3日程で角膜が濁り始める。角膜が濁っていないのであれば、溺死してから3日は経っていない事となる。毎朝届く、通信文書には沈んだ船の情報も掲載されているがここ5日間程の周辺で民間船が沈んだという情報は入っていなかった。この溺死体は何かおかしい。どこから流れてきたんだ。そのような疑問が浮かんだ。
 「提督。私はこの人が死体とは思えません。鎮守府の入渠施設に運んでください」
 「入渠!?ちょっと待て。もしや艦娘だというのか?」
 「はい。このまま警察に引き取られたしても、身元不明として扱われると思われます」
 「なんだべ?この子は生きているんだべか?」
 「人間でいう脈は感じられませんでした。しかし、私達艦娘のメカニズムは私達にもわかりませんが、普通の人間とは違うと思います」
 「・・・わかった。実況検分に来た警察には私が説明しよう。大井と鳥海も呼んで、運んで行きなさい」
 「それと提督。高速修復材の使用許可をお願いします。私の読みが正しい場合、これを使用しないと効果が現れないと推測されます」
 高速修復材。入渠した艦娘をあっという間に回復させるアイテムだ。効能がかなり強いアイテムのため、中々の価値があり日々の補給では支給されない。佐潟鎮守府には3つしか置いていない。それを使おうというのだ。
 「いいだろう。何が起こるかわからない。物を持ち込んで構わないから交代で24時間見張るんだ。それが条件だ」
 「ありがとうございます、提督。状況が判別するまで監視を行います。では早速、処置を行います」

続く

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