この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その13
「提督。戦闘が終了しました。残存の駆逐2隻は逃亡。その他の深海棲艦は撃破。こちらには損害はありません」
『こちら、本部。状況を了解した。逃亡した2隻の駆逐の行動が気になるな。偵察機を飛ばして周囲の状況を確認するんだ。この間の友軍の件もある。近くに敵艦隊がいるかもしれん。注意して進撃しろ、以上だ』
この間の件、友軍が戦闘中に深海棲艦の増援部隊がやってきて窮地に陥った件だ。ひょっとしたら、この海域の深海棲艦はそれぞれ、割と近くにいるのではないか。もし、そうなら逃げた駆逐艦は、近くの敵艦隊に現在の状況を伝えに言った可能性がとても高い。鳥海の偵察機で周囲の偵察を行っている間に、金剛は三式弾のリロードを行う。今の艦隊の状況では、敵の航空攻撃が1番の脅威だ。
「偵察機より入電!こちらに向かっている敵艦載機の集団を発見!方角は、先程の駆逐艦が逃走した方向との事です!数は先程よりも多いとの事です」
「提督、敵艦載機を発見。こちらに向かってきています」
『迎撃するしかないな。艦載機が先程よりも多いという事は、ヌ級が2隻いるのかそれとも資料に書いてある深海棲艦の正規空母・ヲ級がいるのか。どっちにしろ、交戦は避けられない』
「了解しました。各員、対空防御の用意を!」
磯波達が対空戦の準備を終えた頃、水平線の彼方から敵艦載機がやって来た。セオリー通りに金剛が三式弾を発射し、磯波と潮が機銃で艦載機を落とす。大井と鳥海は接近してきた艦載機に主砲を撃って狙いを逸らさせる。
「NOoo!なんだかやたら狙われマース!追い払ってくだサイ!」
敵艦載機がやたらと金剛を狙っている。艦隊の主力を叩くという的確な行動だ。考えられる事としては、先程逃げていった駆逐艦が付近の部隊にこちらの戦力を伝えたという有力だろう。
「9時方向に敵艦隊を確認!」
鳥海が示した方向に敵艦隊が姿を現した。重巡洋艦のリ級、軽巡のハ級、駆逐艦のロ級が2隻、イ級が1隻。そして、杖のような物を持った深海棲艦が正規空母・ヲ級の全6隻で構成された艦隊であった。だが、よく見ると、その後ろに先程逃げ出した深海棲艦と思われるロ級とハ級がおり、全部で8隻の艦隊である事がわかった。金剛を執拗に狙ったのも逃げた駆逐艦が報告したに違いない。
『こちら本部。目の前にいる艦隊がこの海域の主力艦隊である事がわかった。各員、戦闘を開始しろ!金剛、砲弾を切り替えたらヲ級を狙え!あの中華鍋の口に砲弾をご馳走してやれ!』
「りょーかいデース!援護をお願いしマース!!」
「リ級に気をつけて!軽巡や駆逐の防御力では、まともに受けると一撃で大破するわよ!」
「要は戦艦と同じように立ち回れという事でしょ!単体になればどうという事はないわね」
戦闘に入る前に襲ってきた艦載機がヲ級に戻っていく。再度、飛んでくるまでに随伴艦をどれだけ減らせるかが勝負となる。
「魚雷を撃たれると厄介ね。とにかく数を減らしていくわよ!」
大井が15.5cm三連装砲をロ級に向けて発射する。ここら辺の海域の駆逐艦は大井にとってはもう敵ではない。
グオオオオオオッッ!!
相変わらず深いな叫び声をあげてロ級は海に沈んでいった。大井の隣にいる鳥海が放った砲弾はイ級に命中、撃沈。これで敵艦隊の数は通常の6隻となった。ここからが本番だ。
続く