東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第7章 いわれなき大騒動・その1
サウザントリーフ城・上層。ここには一般の人は立ち入る事が出来ない区域である。そこには謁見の間を始めとする王族関係の施設がある。もちろん、サウザント・リーフ王国の心臓部であるため、警備が1番厳しいのも必然だ。
ガガガガガガガガッ!
「階上からの攻撃が激しいわ!これでは抜けるのは一苦労よ!」
エレベーターは止められてしまったため、階段で上層に向かうしかないのであった。その上層に向かうための階段の一箇所で2人は足止めを喰らっていた。激しい精霊銃の弾丸が顔を覗かせる度に降り注ぐのであった。ただ、下から時々増援がやってくるためいつまでもここにはいられない。このままでは拉致があかない。しかもどうやって設置したのか、ご丁寧に戦車まで持ってきている事だ。こちらを燻し出すためか時折、爆弾を放り込んでくる兵士がいるが、飛び出した所を戦車での砲撃を叩き込む算段なのだろう。
カランッ・・・
爆弾が投げ込まれる。飛び込みつつ爆弾を掴み、転がりながら投げる。
ドゴーン!!
「わああぁぁぁ!」
爆風に巻き込まれたのだろうか下の方から叫び声が聞こえた。相手もそれを見越してタイミングを計って投げ込んできている。この方法はそろそろ通じなくなるだろう。
「次、爆弾が来たら兄さんが対応する番よ」
「そろそろ、動いた方がよさそうだな。突破方法はだいたい思いついた。飛び出せる準備をしてくれ」
2人が注意深く、階段上の兵士達を観察する。覗き込みすぎると銃撃が飛んでくるので、お互いに対角線上にいる兵士を見るように立ち位置を変える。
「今よ」
紗江の合図と共に大治郎が精霊銃を構えて飛び出す。大治郎に視界に爆弾を投げる兵士が映る。その兵士の手から爆弾が離れて、すぐに爆弾は爆発を起こし、周囲にいた兵士が爆風に巻き込んだ。精霊銃で爆弾を撃ち抜いたのであった。タイミングを合わせるならこちらも同じように行動をしたまでであった。爆発で発生した煙から紗江が飛び出し、襲い掛かる。ペースを乱された兵士達にとっては、自分が1回動く間に3から4回は動くような速さに見える程に混乱した兵士は慌てていた。大治郎が精霊術のスパークウェイブを放ち、戦車と兵士を巻き込んで動きを止める。ここを突破するのにはコレで十分であった。投げ込もうとした爆弾を撃つよりも、むしろ、最初から精霊術を使えばよかったのではないだろうか。
続く
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