この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第9章・その1
カーン・・・。 カーン・・・。 カーン・・・。
鎮守府から金槌で物を叩く音が響いてくる。先の戦闘から数日経ったが、燃料をほとんど使い切り、磯波と潮だけで漁船警備に出て行くだけで精一杯であった。
「いくらプレハブだからと言っても安普請は安普請か」
金槌を片手に斉藤が呟く。この数日の鎮守府運営は全て鎮守府の修理にあてられていた。いくら自分達で組み立てができるといっても、建築のプロではないためどこかしらに綻びや歪みが生まれてしまう。
「ホントよね。一体、前世でどのような行いをしたらこういった目に遭うのかしら?」
大井がジト目で斉藤を見る。艦娘のモチーフは先の大戦の艦船である。人間が使う道具であるため、実質的に前世の行いで悪い事をしたと言えるのは斉藤くらいなものである。
「そんな事を言われてもな・・・」
前世の行いなど知りようがない。知った所でどうしようない。
「ま、まあいいじゃないですか。こうして自分達が暮らす所に手を入れて立派にしていくのも他の鎮守府にはできないことですし。愛着も湧くというか。そんな感じになります」
「私は別にどっちでもいいんだけどね。物を作ったりするのはいつもやっているから。大淀、そこのトンカチを取ってくれる?」
大淀と明石がそれぞれ話しながら作業を進めている。この間の戦闘の戦果で新しい海域に出撃許可が出るかもしれないという話も届いている。だとしたらこの先の戦いはさらに厳しくなっていく。新しい戦力が必要な時期でもあった。
続く
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