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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その43~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その1

 先日、ル級以外を倒した佐潟鎮守府の戦闘結果を九州指令本部に送った所、新しい海域に出撃する許可がなんと出てしまったのであった。それを聞きつけたのか、菊地提督から斉藤に連絡が入り、“今の戦力で許可が下りた海域に出撃すると、敵の航空戦力に痛い目に遭う”と言われてしまった。聞けば、軽巡や駆逐で構成されている水雷戦隊にとって鬼門にあたり、砲撃戦に移る前に航空戦力によって被害を受け、戦力が落ちた状態で戦う事を余儀なくされるとの事だ。それに対抗するには対空機銃を搭載するか、こちらも航空戦力を整える必要があるという。機銃を搭載する場合は、搭載した艦娘の攻撃が落ちてしまうため、それを補う戦力が必要となる。
 しかし、困った事に出撃や修理、そして補給に資材を使いきってしまったために機銃の開発も新しい艦娘を呼び出す事もできないのであった。それを示すかのように艦娘を呼び出す機械には埃避けの布がいつの間にかかけられていた。ここしばらくは、漁船の警護をメインに運営している。
 「機銃の生産か。いざ、揃えようとすると全く出なくて他の物ができたりするんだよな」
 物欲センサー。欲しい物があるときランダムで出てくるような決まりがあると全く出てこなくなる現象である。都市伝説の類かもしれないが、このような事を経験した事がある人は多いのではないだろうか。斉藤もゲームではあるが、似たような事は経験した事がある。
 「戦力を増強するにしても戦艦や空母が沈んだという報告は入っていませんね」
 大淀が印刷された日報を渡してくれた。今の所、日本付近の戦闘では大きな戦闘が起きている状態には至っていない。斉藤達が行っている戦闘はあくまでもその海域の制海権を取られないための見回りという意味合いがある。
 「今後のこの鎮守府の活動には、まず戦艦が必要だ。空母でもいいが、砲撃火力を向上させたい」
 重巡よりも長距離の射程を有し、相手の並みの重巡や軽巡を一撃で沈められる砲撃力を早めに整えておくのは必要である。
 「やっぱり工廠の機械は使わないんですか?」
 「そうだな、使いたくないな。駆逐艦や軽巡洋艦を増やすの1つの手かもしれないが、補給や入渠に使う資材が増えてしまうだろう?増やすなら、確実に戦艦や空母がいい」
 「となると、やっぱり鳥海さんのように一本釣りですか?」
 「そうだな。そうしたいな。いつまでも待つわけには行かないから、決断しないとな」
 磯波との会話をやりつつ、窓の外に視線を向ける。外には、この間の嵐を起こしたようなドス黒いが出ていた。
 「嫌な雲だ。こっちに来るんじゃないか?」
 斉藤の不安はこの後、的中するのであった。

続く
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東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第5章・その2

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第5章 赤きスープは火を吹くように辛い・その2

 「これで市街地での戦闘はほとんど起こらないだろう」
 「ほとんど?という事は全てではないのね」
 「全ての兵を止める事は無理だろう。中には血の気が多い連中が多い。そういった連中は単細胞だから、すぐ襲い掛かってくるだろう。まあ、そのような連中が来たら適当にあしらってくれ」
 「勝負を仕掛けてきたらその時はその時だ。それにしても中々の地位にいるようだな」
 「まあ、その点はね。ところで姫さんを探しに来たのだろう?それならハーバー・カツウラという店に行くといい。今の時間帯は御宿食堂という暖簾がかかっているはずだ。そこの暁美という人物がどこに向かったか知っているはずだ」
 「月崎といったな。君は今回の事件の真相を知っているのだろう」
 「それはどうかな。予想はできるが確証がない部分があったりするからな。ほら、早く行ってあげな」
 大勢の兵が見ている中、2人を見送った月崎は大きな溜息をついた。
 「月崎主任。良いんですか?勝浦さんの所まで教えて」
 「構わないさ。むしろ、そうしないと被害が増えるかもしれないからな。道にいる兵士を手当たり次第にボコボコにされてしまったら、結局、街の被害が拡大する。そしたら、攻撃を止める様に言った意味がない。・・・・・・おい、これで良いんだろう!?」
 月崎は最後の一言を列車の方に向かって言った。
 月崎に言われた通り、2人はハーバー・カツウラもとい御宿食堂の付近までやってきた。途中、月崎が言った血の気が多い連中に遭遇したが言われた通りに軽くあしらった。ある兵士は民家の窓に、ある兵士は民家のドアに放り込まれ、持ち出した戦車は鉄くずになった。
 「ドアの修理代を請求されないかしら?」
 「その時は、この国が鉄くずにした戦車を再利用してドアを作ってくれるだろうさ。それにしても少し行列が出来ているのは何故だ?」
 「観光案内書によると、ハーバーカツウラもとい御宿食堂という所は、宮廷料理人だった人が開いたお店ね。昼間は大衆食堂で夜はバーを経営してるね。昼と夜で名前を変えているのね。変に割り込むと一般市民の顰蹙を買ってしまうわ。順番に並びましょう」
 「それであなた達は2人がどこに行ったか私に聞きに来たのね」
 細目の暁美の目がうっすらと開く。ただでは教えないという目だ。
 「いいわよ教えても。ただし、私が勝ったらご飯代は50倍で払ってもらうわよ」
 一触即発。店内の空気が変わった上に、暁美が提示した増額に店内が完全に静まり返った。2人が注文したカツウラタンタンメンのチャーハンセットはせいぜい900円の代物だ。それを50倍の金額にして払えというのである。そこでスープを飲んでいた紗江が丼をはげしく音を立てて机に置く。
 「私達も安く見られたものね。私達は50倍程度なんかじゃないわ。兄さんに勝てたら1000倍よ1000倍!そのくらいの価値はあるわよ。あ、後、シェフのフルーツパフェを1つ」
 1000倍と聞いて店内がざわつく。中には口に含んだ食べ物まで噴出す者も現れる。たかだか900円の物を負けたら1000倍にして払うという根拠のない自信はどこからくるのだろうか。
 「おい!自分は戦わない気か?」
 「私が出たら安くなってしまうわ。それに私は兄さんの勝利を確信しているから」
 「じゃあ表に出ましょう。私の仕事場を滅茶苦茶にされるのはかなわないし、他のお客さんに迷惑だしね」
 (それにしてもよくよく考えれば、私は負けても王様達の場所を教えるだけでいいのだから、ほとんどデメリットが無いのよね。自虐趣味でもあるのかあるいは素で気がついていないのかしら?)
 こうして、90万円に跳ね上がったランチセットを賭けた戦いが始まるのであった。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その42~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その10

 「終わりよ!」
 大井が叫ぶと同時にホ級めがけて射撃する。大井の砲弾はホ級の偽装を弾き飛ばし、どこで覚えたのか、ソバットをホ級に叩きこんだ。蹴りをまとも受けたホ級が悶え苦しんでいる所に魚雷を放ち、爆発と共に海底へと沈んでいった。これで当初の目的であるル級以外の深海棲艦を倒す事は達成した。その後の戦闘では、ル級を中破状態にまで追い込んだが倒しきれずに逃がしてしまうという結果に終わった。
 「ホ級はソバットからの魚雷の連携攻撃で撃沈っと。そういえば今回は敵・軽巡がホ級でしたね」
 大淀が作戦状況の記録をつけながら今回戦った相手について喋る
 「たまたま欠員か出たか非番の代わりで入ったのだろう。このホ級にとっては災難だったな」
 たしかに今回はヘ級ではなくホ級であった。しかし、戦力規模から見てここの主力艦隊には間違いないだろう。大淀は今回の戦闘結果をまとめて本部へと転送した。
敵勢力被害状況
ル級:中破
チ級:撃沈
ホ級:撃沈
イ級:撃沈2
自軍勢力被害状況
潮:軽微
鳥海:中破
 しばらくして、朝日が港を照らす頃に4人は鎮守府に帰還した。

第7章に続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その41~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その9

 「撃ちます!」
 鳥海の20.3cm連装砲から砲弾が発射される。砲弾はチ級めがけて飛んでいくが回避される。
 『慌てるな!複数の砲撃で確実にしとめるんだ!』
 斉藤からの通信が入る。複数人で撃つにしても鳥海は砲身内の弾薬を撃ちきったためリロード中のためすぐには撃てない。
 「鳥海さん!私達がチ級を撃ちますので、鳥海さんはル級とホ級を砲撃で牽制してください!」
 「わかったわ!頼むわよ!」
 「皆さん前進です。射程内に捉え直します!」
 磯波の合図と同時に加速して敵艦に接近する。それを狙っていたのかル級が砲撃する!
 
ズガァン!
「ああっ!!」
 
 放たれた砲撃は鳥海に直撃!だが、大破ではなく中破程度の損傷に留まっていた。どうやらル級は威力重視の大口径主砲ではなく、命中率が高い副砲を使ったようだ。
 「この位なら計算通りです!皆さん、気にせず行きましょう!」
 この発言は虚勢なのか狙った物かはわからない。
 「う、撃ちます!」
 
ズガーーン!!
ドゴォ!
ギャアアアアアアア!!
 
 どことなく人の叫び声に似た感じの声を上げて、チ級は沈んでいった。
 「私がホ級を沈めるわ。ル級の行動を封じてくれる?」
 「わかりました。お願いします!」
 磯波からの返答を受けた瞬間、大井は魚雷をホ級とル級の間に割り込むように魚雷を放り投げる。進路上に進んでくる魚雷の所為でホ級は減速をせざるを得ず、ル級との距離が離れる。その間に割り込むように4人が入り、Yの字に分かれるようにホ級とル級を追い始める。
 「さあ、あなたの相手は私よ!」
 意気揚々と宣言し、リロードを行いながらホ級に向かって突き進む。
 「待ちなさ~い」
 ル級を追っている形となった3人は砲塔を構えながら進んでいく。
 『大井との距離に注意しろ!離れすぎるな!」
 斉藤からの忠告が飛ぶ。今回はあくまでル級以外の艦を全滅させるのが目的だ。
 
バンッ!
 
 磯波が撃つ。駆逐艦1隻の砲撃で戦艦クラスを沈めるのは非常に難しい。だが、磯波が放った砲弾はル級の砲身に当たった。
 
バンッ!
 
 間をおいて潮が撃つ。これまたル級の砲身に当たる。
 「射撃訓練は沢山やってます!」
 
ドゴン!
 
 再び間をおいて鳥海が撃つ。砲身当たると同時にル級が砲撃する。しかし、砲身に当たった影響か砲弾はまったく別の場所に飛んでいく。3人の目的はル級の射撃妨害であった。

続く

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第5章・その1

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第5章 赤きスープは火を吹くように辛い・その1

 「で?あなた達、わざわざ私の食堂で御飯を食べに来たわけじゃないでしょう?」
 カツウラシティに御宿食堂の副店長・勝浦 暁美がカツウラタンタンメンをかきこむ2人に対して言い放つ。
 「もちろんそうだ。俺達がここに来た意味はわざわざ言わなくてもわかるだろう?」
 大治郎の返答に対し、勝浦の細目の端がピクッと動くと同時に店内の空気が凍りつき始める。その空気を察したのか、店内にいた他の客の箸が止まる。
 「ここが午後一まで貸切だった理由はアレだろう?この国の王様とこの写真の人物がここに来たという事はすでに聞いている」
 「その通りよ。いすみちゃん辺りから聞いたんでしょ?だいたい予想がつくわ」
 (いすみちゃん?という事は、この勝浦って人は軍の関係者か何かかしら?)
 大治郎と勝浦の会話で凍りつき始めている雰囲気を他所に紗江は麺をかきこみながらそう考えていた。
―――数時間前―――
 「自総研の君達がやってきたのは、クラル姫を連れ戻すためだろう?」
 機関車の上で月崎が2人の目的をズバリと答える。しかし、軍の中における研究職が前線に出張った上にそのような情報を知っているという事だけで、月崎が軍の中でそれなりの地位の所にいる事は明白だ。どうやってそのような地位に着いたか気になる所だ。
 「君達が来る事になった理由については興味はないが、クラル姫にはこの国を視察してもらうという点だけは本当だと言っておこう」
 「視察というのはさっきも聞いた気がするけど本当かしら?」
 「ああ、それは間違い無い。他国と関係を悪化させる事はこの国は望んでない」
 「だとしたら俺達が来るのも最初から計算済み。むしろ、俺達じゃないとできない狙いがありそうだな」
 「それは時期にわかると思うぞ」
 時期にわかるという物ほど気持ち悪いものはない。自分自身が知らず知らず掌で転がされているのはいい気分ではない。そうこうしている間に貨物列車は勝浦の駅近くの留置線に停車した。事前に連絡を受けていたのだろう、停車と同時に兵士達が続々と集まってくる。
 「やれやれ仕方ない。ここは私が話そう」
 そういうと月崎は貨物列車から飛び降り、近くの兵士に部隊長を呼んでくるように指示を出した。少しして部隊長らしき人物が乗っていると思しきジープがやってきた。ドリフトでシープを無理やり止め、中から人が飛びしてきた。表情から血相を変えているのが遠目でもわかる。月崎と合流するなり、口論を始めた。
 「月崎主任!それはどういう事ですか!?」
 「何度も言わせるな。この一帯の兵に戦闘をするなと伝えろと言っているんだ」
 どうやら月崎は研究職の立場でありながら、軍の中ではそれなりの立場のようだ。主任というのも軍内部で動くためだけの肩書きかもしれん。
 「では1つ聞くが、ここの戦力であの2人に敵うとでもいうのか?」
 月崎が指差した方向には貨物列車の上に大治郎達が佇んでいる。紗江に至っては腕を組みながら厳しい視線を向けている。
 「ですが・・・」
 「勝てる要素が万が一あるとしてもだ。ここは鴨川からも比較的に近い街。こんな所で市街戦なんか展開してみろ。周囲の建造物や一般市民への被害は甚大だ。それこそ王はそのような事態は望まない上に頭を抱えるだろう」
 「しかしそれでは我々は!」
 「そんなに立場が心配なら、私の名前を出せばいい!いいか!?軍の主な目的はクリーチャーから民を守る事だ!それなのに市民をあえて危険にさらそうとする行動を行うのはおかしいと思わないのか!ここは田園地帯でも、街道でも、城でもないんだぞ!」
貨物列車の上でレーザー砲をぶっ放そうとした人物とは思えない発言である。
 「いますぐにこの一帯の兵に戦闘を行うなと伝達しろ!血の気が多い連中がいくらかいてもそのくらいなら襲い掛かっていいだろう。良い薬だ」
 月崎の命令により、この辺りの兵士との戦闘はほとんど起こらないようになったようだ。

続く

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