この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第一章・その3
「これは間違いありません。私達、艦娘を製造する機械ですね」
明石が機械を見て答える。どうやら、ここが自分達の鎮守府である事は確定のようだ。
自分達の鎮守府がオンボロであるという事は判明した。艦娘を作る機械は2つある内1つは壊れている状態であった。明石の話によると、肝心な中心部分も壊れており、本部でしか直せない状態であるとの事。風呂場兼入渠ドッグは4つある内、2つが修理が必要な状況であった。建物そのもの状態といい明らかに陰謀の臭いがするのは気のせいだろうか。まずは、提督の執務室と風呂場と寝る場所の掃除から始める事にした。
午後になって熊本の本部から机などの執務用の道具が届いた。いわば、“初めての提督さんセット”である。荷物を持ってきた運転手が、火事現場の家を見るような表情をした気がするが、全員気にも留めなかった。一通り掃除が終わった後、各設備が正常に稼動するかをチェックする事にした。
「提督。先程運ばれてきた荷物のリストありました物資で艦娘を建造できますよ」
「いわゆるチュートリアルというヤツだろう?駆逐艦1隻だけだと近海警備もままならないという事だな」
「各資材はどのくらい投入しますか?」
「全て最低値でいいさ。変に凝ると物欲センサーが働きそうな物だからな」
明石が慣れた手付きでメーターをセットしていく。最後に脇にレバーを引くと何やらタイマーが表示された。
「提督20分後には完成となります」
「今回は20分だけど、戦艦とかの場合はどのくらいになるんだ?」
「そうですね。4時間から8時間くらいかかるそうですよ。もし、時間を短縮したいなら高速建造材を使うように指示を出してください。機械の火力をあげて一瞬で完成しますよ。どんな悪ふざけでも人に向けないでくださいね」
明石の話によると、まだ艦娘が正式配備される前に事故があったらしい。なんでも高速建造材を人に向かって使ってしまったとの事。発射された炎を浴びた人は両足を残して蒸発してしまった。ただ、そんな話があったならニュースにはなるはずなので、もみ消したか、ただの噂話かのどちらかだろう。
続く
PR