この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。
佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第三章・その1
第3章・問題児
ガーンッ・・・・・・・・。
ガーンッ・・・・・・・・。
佐潟港の沖から砲撃音が響いてくる。磯波と潮が砲撃訓練を行っているのだ。日々の物資の配給において弾薬“だけ”はまともに支給されるので、砲撃の命中率向上のため実施する事にした。しかし、経費節約のため的は古新聞とダンボールから作った物を使用している。“一発当たったら壊れてしまう物にお金はかけられない”という斉藤の発言からによる物であった。それを明石一人で作っているのかというとそうではなく、後日気がついた事だが、工廠においてコロボックルような小人の姿を見かけるようになった。新たな食客が増えるのかと明石に訊ねたら、彼らの食物はいつもの資材から作られるらしいのだ。潮を建造した際に使用した資材の数量にも含まれているらしい。
だが、このコロボックル、見かけは可愛いのだが相当口が悪い。斉藤が見つけた瞬間“ナンダテメー”とか、“ビンボーテイトクガエラソウニ!”等と言った罵詈雑言を言う始末である。明石がフォローしたが、しばらくは工廠に近づかない方がいい模様。腕はいいらしいが性格に難有りである。その日は他の鎮守府のコロボックルはどうなのだろうかと気になる一日になってしまった。あの後、武装の開発を何度か試みた所、よくわからない白い塊や魚雷がたまたま人数分出来上がったため、磯波と潮に装備させる事ができたのであった。
執務室の椅子に腰を下ろし通信文書に目を通す。大きな戦闘でもあったのだろうか、沈んでしまった艦娘の情報が載っている。自分達の戦場のレベルとは比べ物にならないだろう。しかし、1つだけわからない事がある。沈んでしまった艦娘はどうなってしまうのかだ。
「大淀、沈んでしまった艦娘はどうなるか聞いた事はあるか?」
「沈んでしまった私達ですか?それは私達でもわかりません」
「そうか、でも不思議だな。海の底で横たわっているなら、底引き網でもかかる可能性もあると思うのだがな」
「そうですね。推測ですが、沈んだ後深海棲艦に攫われてなければ、網とかに引っ掛かったりする可能性は十分あると思われます」
「見た所、1戦級クラスの所は漁場ではないからな。後は潮の流れを考えれば……」
「提督?一体、何をお考えなのでしょうか?」
斉藤はその質問には答えなかった。通信文書を見ながら何やら考えているようだ。魚雷を装備する事ができた甲斐あって、魚雷を使った戦い方もできるようになった。何度か出撃すれば扱いに慣れてくるだろう。今後の課題は如何なる方法で艦娘を増やすかという事だ。訓練や出撃に加えて武器開発を行ってしまうと、艦娘の建造ができないのだ。(艦娘の建造の数値で、開発を行っているため)
続く
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