この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その10
『今だ!友軍をこちらに移動するように指示を出すんだ!金剛!後ろにいるル級やヌ級の注目を集めろ!外すなよ!』
「イエース!わかりました!撃ちマース!」
ドガーン!!
金剛の35.6cmが火を吹いた!砲弾はこちらに向かってきている友軍を飛び越え、ル級に目掛けて飛んでいく。しかし、ル級を庇うようにヘ級が前に出て砲弾を喰らい沈んでいった。
『庇われたか!反撃がくるぞ!警戒しろ!』
斉藤からの無線の通り、ル級の隣にいたヌ級から艦載機が飛び立ってくる。
『磯波、潮!前に出ろ!友軍に敵艦載機を近づけさせるな!何としてでも守れ!』
全速力で進んでいる友軍とすれ違うように磯波と潮が前に出る。
「行きますよー、えーい」
ヌ級の艦載機目掛けて機銃を撃ちまくる。艦載機がその行動に頭にきたのか、友軍を追うのを止めて潮に突っ込んできた!
「!!!!。こ、来ないで下さい!」
爆発。艦載機が持っていた爆弾が爆発したのだ。煙の中から、ボロボロになった潮が現れる。
「み、見ないで下さい・・・」
潮、大破。だが、この騒動の間に友軍艦隊は金剛達と合流。友軍艦隊を中心とした輪形陣に立て直す。完全に深海棲艦の包囲網から抜け出した後、全速力で離れていった。ヌ級の艦載機の追撃は来なかったため、相手も追撃をあきらめたと判断。ボロボロになった友軍艦隊を所属している鎮守府まで護衛し、佐潟の港に戻ってきた。
「戻ったか磯波。先程だが、南さつまの提督から連絡があった。手ひどくダメージを負っているが、全員戻ってきた事を感謝していたぞ」
「やりましたね、提督。ついでに機銃のテストもできたのもうれしいです」
「そうだな。今回は友軍が敵に包囲される事態になったが、自分達もそのような状況に陥る場合が絶対あるからな。その時が来てもうまく立ち回れるようにしておかないとな」
太陽が水平線の彼方に沈み、夜の帳が迫るがいつもより闇が深く感じる。どこかで深海棲艦が出ているのかと斉藤は思っていた。
続く
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