この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その8
「上空に友軍の偵察機らしき影を確認!」
磯波達が向かう先では、南さつま2123艦隊の面々が深海棲艦との挟撃を受けている所だった。2艦隊に追われ、脱出しようとも攻撃により移動を阻害されてしまい、それは叶わない状態であった。
「通信機が完全に繋がらなくなりました。指令官との連絡が取れません!」
「このままだと嬲り殺しにされるだけだ。夜戦に持込めれば何とかできそうだが・・・・・・」
「夜が来る前に全滅しそうです!」
白雪、川内、五月雨がそれぞれ叫ぶ。
「あの後、10分以内に増援が来ると言っていましたが、先程の偵察機らしき物は味方の物なんでしょうか?」
古鷹が上空を再び見上げる。長い。10分以内に来ると言われてもこの状況では1分ですらとても長く感じる。砲弾や魚雷、艦載機の攻撃を何とか致命傷を受けないように動き続ける事に神経を集中させる。それでもじわじわとダメージは広がっていく。古鷹や五月雨が、反撃で撃ち返すが、中破状態では有効打にはなりにくい。駆逐艦の砲撃も同様であった。
「前から敵艦載機来ます!」
ル級と艦隊を組んでいるヌ級から飛び立った艦載機が襲い掛かる。逃げ場を無くすように敵の増援部隊の駆逐艦から砲撃が行われ、水柱が近くで上がる。
ズガガガガガガ!
「ぐっ!」
比較的損傷が少なかった川内を狙い打つかのように攻撃が行われ、ダメージを負う。気がつけば小破なのは白雪だけで有り、残りは中破及び大破状態であった。もう持たない。その場にいた誰しもが思っていた。敵増援艦隊にいるヌ級2体の口がゆっくりと開く。あそこから艦載機が飛び立つのだ。
ドゴオォッ!
突然、1体ヌ級の背中が爆発する。衝撃で水面に前のめりで倒れるが、致命傷に至らず中破程度の損傷のようだ。しかし、場の空気を固めるのには十分であり、誰しもが攻撃を止めて、砲弾が飛んできた方向を見る。
「イエース!当たりました!」
「提督!友軍を発見しました!」
佐潟2174艦隊がついに到着したのであった。
続く
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