この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その5
「各艦、対空戦用意!」
磯波の掛け声と同時に全員が砲塔を上空に向け、敵艦載機が接近してくると同時に主砲を発砲する。対空機銃ではないので、効果はお察しであった。艦載機にはロクに当たらず、艦載機からの銃撃、魚雷攻撃を受けてしまったのだ。その結果、磯波と金剛が小破、潮が中破程度のダメージを受けてしまった。
「あーもー、最悪デース」
空母がいない場合は対空機銃等、敵艦載機に対向できる有効な装備がなければ被害が大きくなる。今回はその良い例であった。この海域やそれ以降の海域に出る度、空襲に遭うだろう。佐潟鎮守府に空母が配備される日が一日でも早く来て欲しいと願うばかりであった。艦載機が戻っていった方向に進行を続けいた一行は、海上を進む人影を発見。間違いない深海棲艦である。相手深海棲艦の数は6隻。軽巡が2隻、駆逐が2隻、そして大きな中華鍋を深々と被ったような深海棲艦が2隻。大井によると軽空母のヌ級との事だ。先程、空襲を仕掛けてきたのはこのヌ級だったのだ。相手もこちらの姿を確認したのか、向きを変えこちらに迫ってくる。それにあわせるかのように、ヌ級の口が開きそこから艦載機が発進してくる。この距離では金剛の砲撃も届かない。
ガガガガガガッ!チュドーン!チュドーン!
「きゃああ!」
先制の航空攻撃により磯波がダメージを負い、中破状態にされてしまう。
「リベンジです!ファイアー!!」
金剛がヌ級に向けて砲撃を行う。事前の情報によると、空母系の相手は中破状態まで損壊させれば、艦載機は飛ばす事ができなくなるのだ。しかし、ヌ級への砲撃を駆逐イ級が庇った。イ級は沈んでいったがヌ級は無傷であった。
「むかつく事をするわね」
大井と鳥海が射程圏内に入った深海棲艦に向けて砲撃を行う。残っていたイ級とヌ級に命中。イ級は撃沈したが、ヌ級は小破といった所だろうか。若干、艤装が壊れた程度に留まっている。
「すみません。効果的なダメージではないようです」
相手の軽巡ホ級が一斉に魚雷を放つ。それに負けじと、大井と鳥海が魚雷を放つ。磯波と潮は中破状態のため魚雷を放つ事ができない。それに合わせるかのようにヌ級から艦載機が飛び立ってくる。
「全員、増速!魚雷のコースから退避し、艦載機への攻撃に対応してください!」
ガガガガガガッ!
再び、艦載機の攻撃に晒されるが何とか直撃を避ける事に成功する。回避後すぐに金剛と磯波、潮の3隻同時砲撃で手負いのヌ級を1隻沈める事が出来たが、このまますれ違うように深海棲艦と離れていき、戦闘は終了となった。
「今日はもう戻りましょう。このまま進撃しても十分な打撃を与える事はできず、被害を拡大させるだけです」
「それには賛成です。この先にも空母を伴った艦隊がいるはずです。見つかる前に戻って体勢を立て直しましょう」
磯波の提案に鳥海が同意する。他の3人も同じ意見であった。斉藤に連絡後、鎮守へ戻っていった。
戦闘結果
味方被害状況
・磯波:中破
・潮 :中破
・金剛:小破
・鳥海:軽微
・大井:軽微
戦果
・駆逐イ級:4隻撃沈
・駆逐ロ級:1隻撃沈
・軽巡ホ級:1隻撃沈
・軽空母ヌ級:1隻撃沈
続く
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