東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅳ ~【小説版】
第1章・その2
地図に丸印が着いてた地点に3人はやってきたが、それはもう酷いものであった。老若男女関係なく、武装した市民達が包丁、精霊銃、ホームセンターで売っている工具等ありとあらゆる物を持ち出し、我先に3人を倒そうと発狂状態で襲い掛かってきたのだ。その中で統率が取れた動きを見せた人達がいたが、任意でクリーチャー退治を行う傭兵達や精霊術師であった。中にはサウザント・リーフ王国の兵もいたが、ソフィアの姿を見た瞬間に混乱し、成す術もなくソフィアによって壊滅してしまった。この乱闘騒動が終わって母国に帰った時、ソフィアから小言を言われるのだろう。最初のコースの×印、川を超えた所にあるボースカントリーズ地区に建っているある建物に3人はやって来た。
ボースカントリーズホール。そう呼ばれる建物がここにはある。スポーツからコンサート等様々なイベントを行っている。かつては別の名前で呼ばれていたそうだが、それを示す資料は残っていない。そのホールの前で浴衣を着た一人の女性が仁王立ちで待ち構えていた。
「やっぱり、有象無象が集まったような烏合の衆クラスのレベルには無理なようね」
「あなたがステージ1のボス役ね」
「そうよ。私は三ツ葉山。SUMOUをやっているわ」
SUMOU。それはボースカントリーホールで1番行われているスポーツである。その歴史はかなり古いという。三ツ葉山は浴衣をはださせ、道着の下にグラップリング・パンツとレオタード、そして廻しを着けているのが道着の隙間から見えている姿となった。
「中々恰幅がいいじゃない!いいわ、今回の戦いは私がもらうわ!」
意気揚々とソフィアが声を張り上げて宣伝する。
「ソフィア。君はSUMOUを知っているのか?スポーツとして有名だが、格闘術としても優秀なのだ。何でもSUMOU技でクリーチャーを倒せると何かの記事で見た事がある」
「SUMOUについてはテレビ中継で見たくらいね。でも、格闘術と呼ばれるなら私のサウザント流の方が強いって事を示さないとね」
「サウザントリーフ・王国の女王。ソフィア・リーフ・サウザンが私の相手か。どんな流派かは知らないけど、SUMOUというのを教えてあげるわ」
そういうと三ツ葉山は大きく四股を踏み、大きく拍手を1回行った。パチンッという音が辺りにこだまする。制限時間いっぱいという感じなのか、ソフィアも三ツ葉山もそれぞれ構えを取った。
続く
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