東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第8章 VS お姉ちゃん・その6
(しかし、どうやったら有効打を与える事ができるのかしら?自総研の2人の実力は調べていたけど、想像以上だわ。やはり、強力な技を叩き込むしかないわね)
「炎を舞え!フレイムリーフ!」
ソフィアが術名を叫ぶと同時に、炎を纏った葉っぱが降り注ぐ。風に舞うように不規則に動く燃えている葉っぱは、大治郎達の行動を鈍らせる。刀で葉っぱを払っているうちに、ソフィアが大治郎の懐に飛び込む。
ガガガガガガガッ!ドゴッ!
「ハァーッ!」
ソフィアが両手による乱打を繰り出した後、闘気の塊を叩きつける。受けた大治郎は闘気の塊を受け、後方に飛ばされるが倒れはしなかった。大治郎の服の前腕部分がボロボロになっただけであった。
「全部、前腕だけでしのいだというの?」
「降り注ぐ炎の葉で隙を作り出し、技を打ち込もうというのはいい考えだ。じゃあ、それを受ける立場になった場合どう動くか、だ。葉っぱと拳を両方一緒に交わすか。どちらかだけを防御するかだ。今回の場合は炎の葉によるダメージを受ける事にして拳の方を防御する事にしただけだ。何しろ、この精霊術の威力は低すぎる」
「解説を聞き入っている余裕はあるわけ?戦闘は続いているのよ」
「なっ!」
ソフィアの片腕を取りつつそのまま投げ、仰向け状態にした所うなじに小刀を突きつける。小刀の位置はこのまま刺せば、心臓に突き刺さる位置であった。
続く
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