東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅳ ~【小説版】
第5章・爆裂暴走車両:その3
「ああ、あれね。私が改良した最新型よ。ここに持ってきたのね」
「全部、君が用意したものじゃないか!戦闘データを集める気だな!?」
「集めたデータは、クリーチャー退治に役立てるわ」
アサルトライフルやハンドガンの銃口を向け、ヘリコプターやドローンに向けて撃つ。バイクと違って操縦者は守られているし、ドローンに至っては装甲が頑丈にされているため、数十発と撃ち込む必要があった。
「接近することが出来たら斬れるのに。それが出来ないのがもどかしいわ」
「剣圧や真空波は物理攻撃ではないから、術防御が高い機体だと威力が軽減されてしまうな」
術防御が高ければ仕方ない。破壊できるまで根気強く攻撃していくしかない。弱点でもない限りは。
「前方にバイカー。待ち伏せね。ロケットランチャーを持っているわ」
「ロケラン持ち?丁度いい、それを頂くか。紗江、代わりにアサルトで後ろを頼む」
前方の相手に向けて精霊銃を撃ち、次々と撃破すると同時にロケットランチャーを奪取していく。
(どうやったら。いや、何年精霊銃を使い続けたら、あのような撃ち方ができるのだろうか?)
セレスが大治郎の戦い方を不思議と思っている間に回収したロケットランチャーを使って、紗江がドローンやヘリを落としていく。機械には、やはり爆発でが一番有効だ。
「後ろから何かごつい車が来たわよ」
全員が後方に視線を向けると赤く大きなピックアップトラックが迫ってきた。
続く
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