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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第7章・その3

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第7章 いわれなき大騒動・その3

 「これは私の字では無いな。と、いう事は私が置いた手紙は差し替えられた訳だな」
 「は?差し替えたですって?一体誰がそんな事をしたというの?何の得があって?」
 「この文字には見覚えがある。私の姉の文字だ」
 姉という言葉に2人は驚いた。サウザント・リーフ王国の王に姉がいるという話は全く耳に入って来なかったからだ。
 「君の姉が手紙をすりかえて何の得があるかはわからないが、クラル王国の上層部は混乱し自分達がここまで出張る事となってしまった事には変わりはない」
 「もういいわよ、兄さん。何はともあれさっさと倒して、クラル姫を連れて帰りましょう。まさか、自国の兵士達がボコボコにされたのにもかかわらず、自分は何もせずにクラル姫を返したら、臣民に示しが思うからさ」
 「そちらから仕掛けてくるとは随分と大胆だな。折角の機会だ。手合わせを願おうか!」
 「・・・セレス参謀。よろしいのですか?王様を援護しなくて」
 「いいのよ。これ以上、私達が入った所で生傷が増えるだけよ。物陰から黙って見ているだけでいいわよ」
 追いかけて来た兵士達に戦闘中止を命じたセレスが兵士達と物陰から、カズサと大治郎の戦闘を見物しようとしていた。
 「ここまで来てしまったか。もうすぐこの騒動は終わると思うが、この後が恐いぞ。なんせ、自総研の2人を引っ張り出してしまったんだから」
 「その事については私達が心配する必要はないわよ。しっかり責任を取ると言っていたんだから、しっかりやってもらいましょ」
 「そういう所は淡白だな、セレスは」
追いついてきた月崎が会話に割り込む。目線の先では、カズサと大治郎が戦闘を開始していた。

続く
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東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第7章・その2

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第7章 いわれなき大騒動・その2

 上層階に突き進んでいくと一際、静かな空間へと足を踏み入れた。周りを見渡すとレッドカーペットが敷かれ、奥には豪勢な椅子が2つ置かれおり、ここが謁見の間である事を示している。目的の地点はここだ。先程からの戦闘の気配も下からはまったく感じなくなった。誰かに止められているそんな感じがしている。
 「流石、見事な腕前だ。わが国の兵士達が全く敵わないのも頷ける」
赤いカーテンの奥から男が拍手をしながらゆっくりと現れる。顎鬚があると同時に、ライオンのような耳がある若い男性だ。
 「ようこそサウザント・リーフ王国へ、自総研のお2人よ。私はカズサ・リーフ・サウザン。このサウザント・リーフ王国の王をやっている」
 「サウザント・リーフ王国の国王。聞いた事はあるわ。確か若き獅子王と呼ばれているのよね」
 「左様。国王となってからまだ日が浅いが、何とかやっているよ。して、かなり我が国で暴れているようだが、これは一体どうしたという事か。我らは君達と敵対するような事はしてはいないはずだ」
 「俺達はクラル姫を連れ戻しに来たんだ。クラル姫はどこにいる?」
 「クラル殿か?クラル殿は貴賓室で現在、資料を閲覧中だ。クラル・イースト王国で何かあったのか?」
 「何かあったって・・・。私達はあなた達が連れ去ったと聞いてきたんだけど、もし違うならあなたの所の兵が、私達が来る事を見越して準備はしていないわよ。シラをきるつもりならこの手紙はどう説明するというのかしら」
 紗江が手紙をカズサに向けて投げる。その内容を見たカズサは頭に手をあてて困惑した表情を浮かべた。

続く

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第7章・その1

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第7章 いわれなき大騒動・その1

サウザントリーフ城・上層。ここには一般の人は立ち入る事が出来ない区域である。そこには謁見の間を始めとする王族関係の施設がある。もちろん、サウザント・リーフ王国の心臓部であるため、警備が1番厳しいのも必然だ。
ガガガガガガガガッ!
 「階上からの攻撃が激しいわ!これでは抜けるのは一苦労よ!」
 エレベーターは止められてしまったため、階段で上層に向かうしかないのであった。その上層に向かうための階段の一箇所で2人は足止めを喰らっていた。激しい精霊銃の弾丸が顔を覗かせる度に降り注ぐのであった。ただ、下から時々増援がやってくるためいつまでもここにはいられない。このままでは拉致があかない。しかもどうやって設置したのか、ご丁寧に戦車まで持ってきている事だ。こちらを燻し出すためか時折、爆弾を放り込んでくる兵士がいるが、飛び出した所を戦車での砲撃を叩き込む算段なのだろう。
カランッ・・・
 爆弾が投げ込まれる。飛び込みつつ爆弾を掴み、転がりながら投げる。
ドゴーン!!
「わああぁぁぁ!」
 爆風に巻き込まれたのだろうか下の方から叫び声が聞こえた。相手もそれを見越してタイミングを計って投げ込んできている。この方法はそろそろ通じなくなるだろう。
 「次、爆弾が来たら兄さんが対応する番よ」
 「そろそろ、動いた方がよさそうだな。突破方法はだいたい思いついた。飛び出せる準備をしてくれ」
 2人が注意深く、階段上の兵士達を観察する。覗き込みすぎると銃撃が飛んでくるので、お互いに対角線上にいる兵士を見るように立ち位置を変える。
 「今よ」
 紗江の合図と共に大治郎が精霊銃を構えて飛び出す。大治郎に視界に爆弾を投げる兵士が映る。その兵士の手から爆弾が離れて、すぐに爆弾は爆発を起こし、周囲にいた兵士が爆風に巻き込んだ。精霊銃で爆弾を撃ち抜いたのであった。タイミングを合わせるならこちらも同じように行動をしたまでであった。爆発で発生した煙から紗江が飛び出し、襲い掛かる。ペースを乱された兵士達にとっては、自分が1回動く間に3から4回は動くような速さに見える程に混乱した兵士は慌てていた。大治郎が精霊術のスパークウェイブを放ち、戦車と兵士を巻き込んで動きを止める。ここを突破するのにはコレで十分であった。投げ込もうとした爆弾を撃つよりも、むしろ、最初から精霊術を使えばよかったのではないだろうか。

続く

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第6章・その7

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第6章 突撃した所はハズレでした。・その7

 「残念ね。私にこういったタイプの毒は効かないわよ。カスダメがいい所ね」
 「冗談でしょ!?私の術レベルなら大型クリーチャーでも毒に侵せるのに!」
 「私の陰陽術を侮っては困るわよ。このくらいなら幾らでも干渉できるから毒なんてあっと中和できるわよ」
 紗江は余裕たっぷりに答える。陰陽術の干渉能力は一言で表すならチートそのものだ。小手先の戦法は全く意味を成さない。真正面から向かっていくしかないのだ。セレスはフリーズウォールを唱え、氷の壁を貼るが突っ込んで来た紗江に一気に破壊され、壁に突き飛ばされた挙句、小刀をつきたてられる。
 「どうする?まだやる?」
 セレスに跨った状態で紗江が問いかける。完全に紗江のペースだ。セレスがここから逆転するには非常に厳しい。
 「もういいわ、十分よ。陰陽術も見させてもらったし、私は満足よ」
 「ホントに?ここから接近系精霊術を使うと踏んでいたのに。まあいいわ」
 武器を収めて、セレスから離れる。
 「あなた達はクラル姫を探していたわね。なら、上層階の貴賓室に行くといいわ。謁見の間の近くだからそこに行けばすぐにわかるわ」
 セレスがやれやれといった感じの口調で答える。これは紗江に向けられたものではなく、まったく別の誰かのようだ。
 「何か不満そうだな」
 「まあ、少しはね。あなた達がすんなりここに来る事もそうだけど、本当に来た事に対してもね。本来なら、あなた達がここまで出張る必要はなかったはずなのよ」
 「その発言からすると、俺達が来る事で別の目的が達成されるという事だな」
 「その通りよ。まあ、それはその内わかるでしょうね。嫌でも。ほら、早く行ってあげなさい。道すがら、血の気が多い兵士が襲ってくるでしょうけど、使い物にならないようにしない程度でお願いするわ。彼らもまた被害者だから」
 そういうと指を鳴らし、廊下に続く扉が開かれた。
【登場人物紹介・その5】
・セレス
・性別:女性
・誕生日:11月3日
サウザント・リーフ王国の軍参謀を務める精霊術師。その腕前は精霊術の上級属性も簡単に使役できるレベル。本人は大陸出身のため、どうやら何かの縁でスカウトされて、軍に所属する異例の存在。サウザント・リーフ王国に流れてくる前はかなり無茶をしていたようで、精霊術の腕前もその時に上げた模様。
今回の騒動の要因や事件の裏側を知っている模様。しかし、本人の口から説明するのは面白くないらしい。
軍の中では、精霊の力が宿った道具を作ったりしている。機械系の道具を作っている月崎とは、ものづくり仲間である。

第7章へ続く

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】第6章・その6

東都幻想物語~ Touto Genso Story Episode Ⅲ ~【小説版】
第6章 突撃した所はハズレでした。・その6

 「100人載っても大丈夫と謳っている棚が溶ける様に崩れた。・・・あなた何をしたの?」
 「私はお札を貼り付けただけ。そのように崩れるようにね!」
 見せびらかせるように紫炎を纏うお札を見せ付ける。その禍々しい雰囲気からセレスの背筋が若干強張る。
 (あれが噂に聞く陰陽術。もし、あれが自分に当たったら、私はどうなってしまう?むしろ、私の精霊術がどこまで通じるか。いや、全く通用しないかもしれない!その可能性は十分にある!)
 「あなたの記憶のひきだし。空っぽにしてあげてもいいのよ」
 もはや、言い方がすっかり悪役である。
 「それだけは遠慮願うわよ!」
 セレスが発言と共にリングを投げる。カン、カンと床や壁に跳ね返って迫ってくる上に接触した所で火柱が上がる。どうやらセレスが持っているリングは精霊力を封じた武器のようだ。
 「ブレイズクラッシャー!!!」
 セレスが精霊術の名前を叫ぶ。空間を大爆発させた後、火炎弾を降り注がせるエクスプロードの上位術だ。
ドゴォォォォーーーーン!ガラガラガラガラガラ!
 「室内で中々、滅茶苦茶な事をするんだな」
 「これぐらいしないと、あなた達には対抗できないでしょ?」
 「詠唱速度や精霊術の威力はかなりの物だと見受けたけど、それだけでは紗江から金星を取る事は難しいぞ。力と力の押し合いなんて、紗江の前には無意味だ。紗江の陰陽術にそのような理は通用しない」
 「あー、ビックリした。埃まみれよ、まったく」
 崩れた棚を押しのけるように紗江が姿を現す。ダメージと負っている描写はない。
 「嘘でしょ。まったくダメージが与えなられていない」
 「少し、驚いたけどそれだけじゃダメね。さ、次はどうする?」
 間髪入れずに、セレスから光の剣が複数放たれる。光属性の精霊術・ホーリーソードだ。しかし、それをすり抜けるようにかわし、一気に間を詰めていく。
 「コレなら、どう!」
 セレスが手を突き出すと、紗江が後方へ吹っ飛ぶ。
 「エアロドライブか。うまく当てたな」
 風属性の精霊術の代表的な物である。発動と同時に高速の風弾を発射する。近接、遠距離と使い勝手がいいので多くの人々が覚えている。
 「まだよ。ポイゾニックローズ!」
 「おいおい。そこで発動されると、こっちにも毒ガスがくるじゃないか。やれやれ」
 術者を中心に前後に茨を伸ばし、大きなバラを発生させる木属性の精霊術だ。茨やバラ自体に攻撃能力はないが、そのバラから発生する毒ガスで攻撃するのだ。倒れている紗江に追い討ちをかける。
 「さて、効果はどうかしら」
 バラから発生した毒ガスが薄まってきたが、その中から紗江が平気な顔をして出てきたのだ。

続く

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