この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第三章・その4
斉藤の執務室の一角にモニターが設置された。電源の近くには変わった切り替え機が有り、連絡以外にもテレビを見る事ができるという。使い方を教えてもらいテストを行った所、菊地の所の翔鶴がモニターに映し出された。
『あ、提督!急用があると言って、執務をほっぽり出してどこに行っているんですか!?早く戻って来て下さい!!』
「酷いな翔鶴。今日は斉藤の所に行くと言っていただろう?」
『それは知っています!しかし、連絡も無しに午前中から消えるように居なくなったじゃないですか。前からそれはやめてくださいと言っています!』
「おいおい。菊地、黙って抜け出してきたのか?」
「そんな訳はない」
『いいから提督!早く戻ってきてください!書類がこんなに溜まってますよ!!』
翔鶴が膨れっ面でカメラを菊地の執務机に向ける。そこには漫画にあるような山積みにされている紙の山であった。
「これは一日や二日の量じゃないだろう……」
「それは置いておいて。これで俺の鎮守府との連絡が可能になった。物資が欲しい場合はこの端末から陳情してくれ。だけど、俺が居るときじゃないと陳情は受けられないぞ。時間帯は午前中がオススメだ。後は、斉藤の鎮守府で陳情できるものをまとめた書類もつけておいた。これらの物資の内容は、斉藤の所が手柄を立てればいろいろ増やす事ができるぞ。じゃあ、俺は自分の鎮守府に戻るから後はよろしくな」
そういうとそそくさと菊地は帰っていった。残していった陳情リストを確認すると、12cm単装砲や7.7mm機銃等といった簡単な物しかなかった。後はカレーセット等の食品のリストが記載されている。その他にも工具や靴下等の日用品が記載されている。まるで生協のようだ。
「て、提督!鎮守府の前に怪しい人物が居ます!!」
「磯波、それは本当か!?」
「はい!独り言をぶつぶつ呟きながら身を捩っていました。見るからに気持ち悪いです!」
そう言われて、1つだけ心当たりがあった。窓を開けて見てみると、潮が誰かに砲塔を突きつけている。突きつけられている人物は案の定、大井であった。そう、大井は斉藤達が通信機材を設置している間、ずっと一人で悶えていたのだ。それをすっかり斉藤も菊地も忘れていたのであった。
「動かないで下さい!撃ちますよ!」
「うっさい駆逐艦ね!私だって好きでここに来たわけじゃないのよ!」
「おーい、潮。そいつは問題はいくつかあるがとりあえずは大丈夫だ」
「えっ!?本当ですか、提督。ウナギみたいにニョロニョロ悶えていた変態ですよ!警察に引き渡さなくていいんですか!?」
「あー・・・・・・。色々言いたい事がありそうだけど、今はここに連れて来てくれないか」
潮は納得がいかないという顔であるが、しぶしぶ向けている連装砲をおろした。
続く
PR