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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その20~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第三章・その7

 「潮さん!私達でイ級を沈めるの!大井さんには考えがあるみたいなの!」
 「やっぱりあの人変ですよ!何を考えてるんだろう?」
 そう言いつつ、12.7cm連装砲を構える。射程は十分だ。
 「撃ちます!」

ガーンッッ!!

ドコーン!

ゴォオオオオォォォ!!
 爆発と爆炎に包まれながら、雄たけびを上げながらイ級は沈んでいった。
 「やったぁ!後はホ級だけですね!」
 磯波が大井の方をみる。ホ級に異常に接近しているが15.5cm三連装砲を撃つ気配はない。その状態を見て磯波は不可解な顔をした。何をしようとするのだろうか。
 「どうやら、砲弾の再装填は間に合わなかったみたいね!」
 その言葉を受けてかホ級はかなり慌てているようだ。それもそのはず、魚雷を回避したと思ったら自分に突っ込んできたのだ。しかも、砲撃をする素振りを一切せずにだ。そんな風に突っ込んできたら誰しもが不可解に思うだろう。
 「さっきの至近弾はよくもやってくれたわね!」
 大井はそう叫ぶとホ級を殴りつけた!強烈な右ストレートが炸裂する!ホ級はバランスを崩して海面に突っ伏する。
 「さよならよ」
 海面に倒れたホ級に向って、大井が15.5cm三連装砲が発射。超至近距離で発射された砲弾をホ級は回避する術もなく直撃、爆発四散した。
 「提督。戦闘が終了しました」
 『ああ、こちらも確認した。中々、エキサイトな所があったな。見ててハラハラしたよ』
 「このくらいのレベルならこういう戦い方も有りよ。一対一に持ち込めば、いろいろ試せるわよ」
 「わ、私にはとても真似できそうにありません!」
 『格闘戦は難しいからな。船に例えるなら、潜水艦に体当たりするようなものだ。とにかく、戦闘は終了だ。鎮守府に帰還するんだ』
 「了解です」
 大淀の分析によると、戦闘した艦隊はレベルが低いがこの付近の有力艦隊であるとの事だ。その艦隊にほとんど損害がない状態で勝利した事は大きかった。

 「艦隊、無事に帰還しました」
 「お疲れ様。今日の主力艦隊との戦果は上々だ。よくやってくれた」
 「あのくらいの相手、どうってことないわよ」
 「提督!やっぱこの人おかしいですよ!深海棲艦を直接殴りつけるなんて、非常に暴力的です!私には理解できません!」
 潮がそう発言した瞬間、大井が烈火のごとく反応し、あーだこーだの言い争いに発展した。大井が行った近接攻撃はリスクが高いが決まれば相手に大ダメージを与えられるのが確認されている。主に、血の気が多い艦娘が敵と接近した時に繰り出すのがほとんどで、戦艦や空母系に繰り出したり、自ら接近していくパターンは滅多にない。
 磯波の手によって2人は追い出され、廊下でギャアギャア続きをやっている。大人しそうな印象がある潮だが、大井には何故か強気だ。
 「提督。今回の戦闘結果を九州指令本部に送った所、遠方海域への出撃許可がおりました」
 「鎮守府近海よりも強力な相手が出てくるという訳か。戦力の充実も行わなければならなくなるのも時間の問題だな。近い内に偵察も兼ねて出撃しよう」
 この会話を遮る様に、潮の悲鳴が響いてきた。どうやら、大井に関節技を極められたようだ。人気がまったくない田舎に轟く罵倒と悲鳴。それでも寂れた地方を賑やかすには十分すぎる程、夜の港は静かだった。

第4章へ続く

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