この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第四章・その2
3人が執務室から離れた後、斉藤は通信機を起動した。連絡先は、友人の菊地提督だ。
「俺だ」
テレビのモニターに、指を顔の前に組んだ菊地提督の姿が映し出された。
「それは何のキャラクターのマネなんだい?」
「やっぱりバレたか。それで今日はなんだ?物資の陳情かな?」
「物資の陳情には違いないがちょっと毛色が違うかな。スピードが出せる漁船みたいな船で使っていないのがあれば譲ってもらいたいのだが」
「これまた、変化球が飛んできたな。船かぁ。食料事情が芳しくないからいっそのこと、自分達で食料を確保しようという所か」
「その使い方もあるな。あの輸送部隊に問題がある事は薄々感じている。この間、陳情したジャガイモはすぐには来なかったからな。しかし、今回は少し違うんだ。明石を乗っけてクレーン役をやってもらうつもりだ」
「クレーンだって?宝探しでもするつもりか?深海棲艦が出てから幾多の貨物船が沈んだからな」
「菊地は沈んだ艦娘がどうなってしまうのか気にならないか?要はそう言う事だ」
「沈んだ艦娘……。成程、そういう事か。大体、察したぞ。多少ボロくてもいいな?その場合の修理はそちらでやってくれ」
「話がわかる友人がいてくれてうれしいよ」
「なあに、俺と斉藤の中じゃないか。ワハハハハハ」
笑い声が響いたと思ったら、一方的に通信は途切れた。
「大淀」
「提督、何でしょう?」
「今日から戦果報告で重巡以上の艦娘が沈んだ所があったら、その場所を特定して欲しい。正確な位置は難しいと思うから、おおよその位置でいい」
「それくらいなら、戦果報告一覧表から調べられますね。やっておきます」
大淀の返答を聞いた斉藤は満足そうな顔をして執務室を後にした。
続く
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