この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その3
「周辺に艦影等は見当たりません」
船上で磯波が報告する。鳥海を釣り上げた海域とは違い、他の鎮守府の艦娘が遠征で頻繁に行き来する海域のため、深海棲艦よりもそちらと鉢合う可能性が非常に高い。もし、鎮守府総出で漁をやっている姿を目撃されたらそれはそれで、妙な噂が立つ事だろう。大淀が機械の電源を入れ、明石がアームを海に投げ込んだ。
「この辺りはハズレのようです。移動をお願いします」
明石の指示で船を動かしてポイントを動かす。この一連の流れをしばらく繰り返していたが空振りばかりが続いていた。うっすらと東の空が明るくなってきた時に金属探知機に反応があった。
「提督!発見いたしました!」
(こんな上手くいく物なの、これ?)
明石の報告を聞いた大井は一連の流れに、宝くじの高額当選に連続で当たるのと同じなのではないかと内心思い始めていた。
「海底の岩盤にうまく引っ掛かっていますね。この岩盤が無かった場合、もっと遠くに流されてましたね。・・・・・・よっと」
明石のリールが巻き上げられていき、ザバァという音と共に今回のターゲットが姿を現す。大淀が近くに駆け寄る。
「提督、今回も鳥海さんと同じ感じです。鎮守府の入渠施設に寝かせれば意識を取り戻すかと。それに撃沈したわけではないので艤装の損傷も酷くはありません」
「では、全速で鎮守府に戻ろう。こんな所を他の艦隊に見られたら、妙な噂が立つからな」
こうして日が昇り始める頃、佐潟鎮守府に斉藤達を乗せた偽装漁船が帰港した。なお、地元の漁師達とたまたま鉢合わせてしまい、ジロジロと偽装漁船を見られてしまうハメとなった。
続く
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