同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。
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第3章・問題児
この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。
佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第二章・その6
『磯波!武器を構えろ、反撃だ!届かなくてもいい!相手の視界に水柱を立たせてやれ!』
「は、はい!」
右手に持っている12.7cm連装砲をホ級に向けて引き金を引く。砲撃音と共に手に反動が響いてくる。しかし、砲弾はホ級から離れた所に着弾した。しかし、この行動により磯波は落ち着きを取り戻す事ができた。反撃の開始である。
ゴキャアアア!
「やった!当たった!」
潮が放った砲弾がイ級に直撃したのだ。叫び声を上げて悶えている様子を見た所、撃沈まではいかないが大破といった所だろう。ダメージが大きいためか動きが鈍くなったのを潮は見逃さなかった。
「もう一発!」
ゴオオオオオオォォォォォ!!!
動きが鈍くなった相手に砲弾を当てる事は容易だった。断末魔の悲鳴を上げながら、海中にイ級は沈んでいった。
「磯波さん、大丈夫ですか!?」
「な、なんとか」
「潮!撃ちまーす!!」
ホ級からそれぞれ十字に位置する所から砲撃を加える変わった形であるが、錬度の差なのかホ級には当たらず違う場所に水柱があがる。ホ級はイ級がやられたため戦闘海域から離脱する事を決めたようだ。逃げていくホ級に砲撃を加えるがガンッという音が一回だけ聞こえただけだった。
『こちら本部、作戦は終了だ。帰還せよ。戻ってくるまで気を抜くんじゃないぞ』
「了解しました」
マイクを下ろし、椅子に座りながら今回の戦果を確認する。
「提督、どうでした初陣の方は」
いつの間にやら明石が執務室にやってきていた。仕事は一段落したという顔だ。
「無事に勝てたよ。磯波の艤装が少しやられたという報告が入っている。戻ってきたら修理してやってくれ」
「了解です」
勝利には違いない。だが、上層部に評価される勝利と言えるのかと聞かれたら答えはNOだ。この程度のレベルの勝利はどこの鎮守府でも毎日、山のように報告されている。1線級クラスの実力を持つ艦娘なら、一撃で片付けてしまうだろう。
上層部はもっと素晴らしい戦果を要求してくる。しかも一線級クラスの戦場でだ。今、自分達がいる2線級、3線級クラスの戦果等には目もくれないだろう。自分達が生き残るには、各艦娘の錬度を上げて1線級クラスの前線で目立つ必要があるのだ。現在は錬度も艦娘も圧倒的に足りない。
「何とか・・・作戦完了したみたいです」
「お疲れ様。初陣は無事に勝利で飾れたぞ。艤装は明石の所で修理するから後で持っていきなさい。また明日、訓練を行うから今日はゆっくり休むように」
初陣を終えた磯波と潮は、どこかほっとした顔で執務室を後にした。ボロボロだが、今日のお風呂は2人にとってとても気持ちの良い物になるだろう。しかし、生まれながら深海棲艦と戦う力を持っていても、教官となるような存在がいれば、戦闘の錬度も上がりやすくなるのだがと斉藤は思った。窓の外の景色は夜の帳が下りている。ここからは見えないが1線級の戦場のどこかでは夜戦が繰り広げられているのだろう。目指す戦場はまずはそこだと斉藤は窓の外を見ながら考えていた。
第3章へ続く
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