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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その40~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その8

ズガーーーーーン!!
 
 戦艦ル級の砲塔から火が出る。音と共に速度を最大にして4人は着弾地点から逃れる。今回の作戦においてル級の砲撃を喰らうわけにはいかない。そして、砲撃の回避行動を大幅に阻害する魚雷を大量にばら撒くチ級は早急に叩く。水面と砲撃の波状攻撃は厄介なためだ。
 「よーく狙って!撃てーー!」
 
ズゴーーーーーーン!
 
 鳥海と大井が放った砲弾はチ級に向けて一直線に吸い込まれる。
 
ドガンッ!ドゴォ!
 
 砲弾は命中したが、撃沈するには至らず。だが、損傷の様子から中破状態であることは確実だ。これではチ級は魚雷を放つ事はできない。
 「相手の陣形を崩すわよ!」
 大井が叫ぶと共に、一斉に魚雷を敵艦隊に向けて発射する。
 
ドゴン!ドガァオン!      ズガーーーーーン!!
 
 魚雷と行き違うようにル級の砲弾が交差する。ル級の砲弾は磯波を狙っていたようだが、スピードを再び落とし、砲弾を通り過ぎるのを待って再び加速する。磯波達が放った魚雷は駆逐イ級の一匹に当たり、騒がしい雄たけびをあげながら沈んでいった。
 「イ級一隻を撃破!」
 『続けろ!砲撃で追い討ちだ!』
 磯波と潮が揃って砲撃を行う。もちろん相手も反撃を行う。2人の砲弾とイ級、ホ級と手負いのチ級の砲撃が飛び交う。
 
ドゴォン! ギャオ!
「きゃっ!」
 
 磯波と潮が放った砲弾はイ級に命中、逆に相手の砲弾は潮に対する至近弾となった。イ級は中破相当、潮はカス当たりという感じだ。
 「ガンガン行くわよ」
 大井が叫ぶと供に砲撃を行う。発射された弾は中破状態のイ級に当たり、沈んでいった。残る艦船は3隻。この戦闘で勝利と言える状態に持っていくにはホ級と手負いのチ級を確実に沈めなければならない。
 『T字が崩れた。ホ級を孤立させて倒すんだ』
 斉藤からの指示通りT字が崩れ、反航戦の形にいつの間にかなっていた。それに気がつかないほど戦闘に集中していた。

続く
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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その39~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その7

ブーーーーーーーン・・・・。
 
 「偵察機から連絡。10時方向に敵影を確認!軽巡1、駆逐2!」
 「各自装備確認。戦闘準備!」
 艦載機からの報告を受けた鳥海からの情報で磯波が戦闘準備の指示を出す。偵察機から報告どおり、進行方向に敵影を確認した磯波達は砲撃を開始した。
 
 「今日はとてもスムーズに運べましたね」
 「フフフ、見たかしら潮。私の華麗なる砲撃を!ああ、北上さんが私を褒めてくれているわ」
 「うわぁ・・・・・・」
 潮が大井の反応に引いている。戦闘で大勝した時や漁船警備で損害を出さなかった時は、ほぼ確実に自分の世界に大井はトリップする。
 「提督。やはり水上機を使った索敵により、戦闘への導入が楽になったようです」
 「一回の戦闘でそう判断はできないさ。漁船警備でも使用して感覚を掴んでもらおう。資材が溜まり次第、あの海域へ出撃しよう」
 
――― 数日後 ―――
 
 磯波達4人は例の海域を進んでいた。鳥海から零式水上偵察機が飛び立つ。水上機からの索敵情報は艦隊の進行方向を定めるのにも非常に役立っていた。
 「艦載機より入電!3時の方向に敵影あり!」
 「進行方向と敵艦隊の規模は?」
 「艦影は3隻。進行方向はそのまま3時方向です」
 「それでしたらこのまま前進。敵が反転しこちらへ向かってこない限り無視しましょう」
 「成程、弾薬の節約ね」
 「そうです。私達の目標はこの海域の主力艦隊の撃破なので、それ以外で避けられる戦闘は避けた方がいいです」
 「コンディションが高いほうが敵も倒しやすいですからね」
 指定海域に潜む敵艦隊を殲滅する大規模な作戦が行われるのは稀である。そもそも斉藤達のような泡末提督には海域の殲滅等は最初っから期待されておらず、指定海域の主力艦隊を叩ければそれでよしという感じであった。その中で素晴らしい戦果を残す艦隊は中央に引き抜かれ、優秀な艦隊として横須賀所属や奄美大島等に転属する事がたまに起きる。出世は誰しもの夢であるが、戦争を生き延びるためには必ずしもそうとは言い切れない。奄美大島に配属された日には、沖縄が目と鼻の先なのだ。深海棲艦がいつ攻めてくるかと毎日、気が気でなくなるだろう。
 
ブーーーーーーーン・・・・・・・・・。
 
 鳥海が偵察機を放つ。小規模な艦隊を見つけてからというものの、新たに敵影は見つからない状況が続いていた。燃料が入ったドラム缶とドス黒い大きな雲が遠くに見えた事だけであった。風向きから嵐は来ないと考え、引き続き捜索を行っていた。
 「!!。艦載機より入電!5つの敵影を確認!」
 「5つ!この間の主力艦隊でしょうか?」
 「戦艦クラス及び雷巡クラスを確認!おそらく、この間遭遇した艦隊かと」
 「この間のリベンジマッチね!」
 「敵の進行方向はわかりますか?」
 「敵艦隊はこのまま南西方向、7時の方角に向かっています」
 「それなら、私達はこのまま進んでT字線で迎え撃ちましょう」
 磯波達は相手の砲撃が不利となる形のT字線で迎え撃つ事に決めた。程なくして敵艦隊を右舷の方角に確認し、戦闘へと移行した。相手の敵艦隊は前回、手痛い目にあった戦艦ル級や雷巡チ級を中心とした艦隊だ。
 「まずは戦艦の後ろにいる雷巡から倒しましょう!大井さん、鳥海さん、お願いします!」
 「見てなさい!この間のお返しよ!」
 「砲撃用意!」
 大井と鳥海が身構えるがまず先に戦艦からの砲撃を避けなければならない。速度を落とし、相手の砲撃を待つ。
 
続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その38~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その6

 「零式水上偵察機、中々できませんね」
 「そろそろ完成しそうな雰囲気もありそうですが・・・」
 調理場兼食堂で磯波と潮が魚を捌きながら、昨日の作戦会議で話した事について話していた。磯波は昨日戻ってきてからというもの、入渠施設で元のコンディションに戻るまで、ずっとのびていたのであった。そのため、戦艦は夜戦まで放っておく。日が出ている間に随伴艦を倒すという事を聞けなかったのである。
 「私達にそれは装備できないわよ」
 大井が発泡スチロールの箱を抱えて入ってくる。中はもちろん、おすそわけの魚である。
 「それと1つお知らせ。その偵察機、さっき完成したそうよ」
 「ええ、本当ですか?」
 「もちろん、さっき大淀が鳥海を呼びに行ったわよ」
 零式水上偵察機が出来たという事は、近く再出撃があると言う事だ。呑気に干物を作っている場合ではなくなるだろう。
 「魚が小さいわね。これじゃあ揚げ物にするしかないわね」
 そんな空気の中、大井は箱の中身を見て呟いていた。
 
ブーーーーーーーン・・・・・・。
 
 気持ちよく晴れた空に緑色の水上機が港上空を旋回している。港の水面に鳥海が偽装をつけて立っている。
 「どうだ?水上機の調子は?」
 「司令官さん、中々のいい感じです。多分、前に使っていた経験が残っているのだと思います」
 海の上に佇む鳥海に手漕ぎボートで斉藤が様子を見に来た。どのような感覚かはわからないが、水上機と艦娘はリンクしており、水上機から得た情報はすぐに艦娘に伝わるというのだ。頭の中にモニターが映っているのが見えるのだろうか。
 「一度、実戦で水上機の錬度も上げておいた方がいいだろう。近く、以前の海域に出撃するようにしよう」
 水上機自体にも熟練度がある。実戦で使用すれば使用するほど、熟練度が上昇し、性能が上がるのである。実際にコロボックルが乗り込んでいるのを見たので、コロボックルの操作技術が上がるためだろう。早速、出撃の予定が組み立てられ、鎮守府近海の海域に出撃した。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その37~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その5

 3日後、その海域に出撃した磯波達4人はボロボロの状態で帰ってきた。大井と鳥海は中破状態。磯波と潮を大破状態。特に磯波は大井に肩を担がれた状態で戻ってくるといったRPGで例えるならHP1の状態であった。入渠施設は2つしか使えないため、大破状態の磯波と潮を先に入渠させる事とし、入渠施設が空くまで大井と鳥海から今回の出撃の状況を伺う事にした。
 「状況を整理しよう。今回は深海棲艦の主力部隊と思しき部隊と直接出会って戦闘になった。で、よかったな」
 「はい。進撃途中で上空に深海棲艦の偵察機を発見したため、その偵察機を追った所、今回の主力部隊と思しき部隊と遭遇しました」
 「そして、今回の出撃においてこちらがボロボロにされる主な要因とは?」
 「敵の戦艦タイプよ」
 戦艦ル級。深海棲艦の中で最もよく見かける戦艦タイプだ。同じ戦艦タイプでも高速を売りにするタ級もおり、それぞれ力のル級、足のタ級と区別されている。今回遭遇したのはル級の方である。戦闘を開始したものの射程で有利なタ級の先制攻撃により、潮が大破状態にされてしまう。反撃をするも随伴している相手の駆逐艦クラスにル級への攻撃をかばわれてしまい、ル級へのダメージは与えられずに終わり、その後のル級の攻撃で鳥海が中破状態にされてしまい、いくら重巡といえども攻撃力が落ちた状態では、相手のチ級の魚雷発射を不能にする状態まで損害を与える事は叶わず、雷撃戦で大井と磯波がそれぞれ大ダメージを受ける羽目になり、一目散に逃げて帰ってという事であった。一応の戦果としては、軽巡ヘ級を小破、駆逐イ級を1隻撃沈しただけであった。
 「提督。戦艦の主砲による攻撃は、至近弾以外ではどのような艦でも損害は免れません。駆逐艦等、速さによる回避主体の艦では至近弾でも何かしらの損害がほぼ出ます」
 「撃たれる前に撃って撃破。と言いたいが今の艦隊状況ではそれはできないな。先に戦艦だけ撃たして、再装填している間に攻撃するのが理想だな」
 「攻撃するにしても、私や磯波、潮の砲では有効な打撃を与えられるとは思えないわ。一斉に射撃しても、せいぜい武器破壊程度かしらね」
 「駆逐や軽巡が戦艦クラスを沈めるには夜戦まで粘らないとできないはずだ。それを踏まえて、戦艦の攻撃を掻い潜りながら、随伴艦を沈める方がよさそうだ。戦艦は余力を見て夜戦で仕留めよう。先日、明石に零式水上偵察機の作成をお願いしている。それができれば、もう少しは戦いやすくなるだろう」
 「それでボーキサイトの量が減っていたんですね」
 斉藤と中破状態の大井と鳥海でこの海域の攻略作戦を練る。戦艦の攻撃をかわしつつ、随伴艦から片付けていく方針で固めたようだ。数では相手が上回るため、攻撃では確実に一撃でしとめる必要がある。作戦の方針がほぼ固まった所で潮が作戦室に戻ってきたので、交代で大井が入る事になった。この日の運営は各艦娘のコンディションを回復を努めるだけで終わった。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その36~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その4

 翌日、九州指令本部から新たな海域への出撃許可が下りたと連絡を受けた。その決定に一同は喜んだものの、この間の鎮守府火災事件の影響により資源の大多数が焼失したため、カツカツの状態であった。大淀の話によれば別の艦隊を使った遠征業務が有るらしい。しかし、この業務を行うためには2番目の艦隊編成許可を受けた上に一定の数の艦娘を揃えて送り出さなければならない。満足に艦娘を配備する事がままならない佐潟鎮守府にとっては夢のまた夢の話であった。斉藤は干物を齧りながら、資材備蓄状況を眺めている。ボーキサイトの量だけ他の資材よりは余っている状況だ。それもそのはず。現在のこの鎮守府においてボーキサイトを使用する状況は限定的なため、他の資材よりかは溜まっているのだ。斉藤は腰を上げ、工廠にいる明石の所に向かった。
 「明石、ボーキサイトで何か作れないか?」
 「ボーキサイトですか?主に艦載機や電探を作る時に使用しますね。ただ、空母の艦娘はまだいないですね。
 「零式水上偵察機がカタログにあっただろ?あれなら、鳥海が装備できるじゃないか。それがあるだけで索敵が随分と変わるだろう?」
 「そうですね。ボーキサイトはそれなりに有りますが、その他の資材の量は少ないのでそれが丁度いいですね。では、作りますので完成しましたらお知らせしますね」
執務室に戻りながら斉藤は考えていた。資材の供給が少ない中、鎮守府が燃えると言う未曾有の緊急事態を乗り越え、3つ目の海域の出撃許可が出たまでは来た。しかし、このくらいの出撃許可は珍しくともなんともない。他の鎮守府では1艦隊に駆逐艦や軽巡洋艦を合計6隻配備して突破している報告はよく見かける。資材の供給が普通の所は、開発で頭数を揃えて力押しで超えられる所なのだ。そこと比べたら佐潟鎮守府は他と何が違うのか?ただ単に重巡を加えた4隻で突破したという点だけであり、他の鎮守府と差をつける要素はまったくないのであった。一日に届く資材の供給状況から新しい海域への出撃は3日後と設定した。

続く

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