忍者ブログ

東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その45~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その3

 「周辺に艦影等は見当たりません」
 船上で磯波が報告する。鳥海を釣り上げた海域とは違い、他の鎮守府の艦娘が遠征で頻繁に行き来する海域のため、深海棲艦よりもそちらと鉢合う可能性が非常に高い。もし、鎮守府総出で漁をやっている姿を目撃されたらそれはそれで、妙な噂が立つ事だろう。大淀が機械の電源を入れ、明石がアームを海に投げ込んだ。
 「この辺りはハズレのようです。移動をお願いします」
 明石の指示で船を動かしてポイントを動かす。この一連の流れをしばらく繰り返していたが空振りばかりが続いていた。うっすらと東の空が明るくなってきた時に金属探知機に反応があった。
 「提督!発見いたしました!」
 (こんな上手くいく物なの、これ?)
 明石の報告を聞いた大井は一連の流れに、宝くじの高額当選に連続で当たるのと同じなのではないかと内心思い始めていた。
 「海底の岩盤にうまく引っ掛かっていますね。この岩盤が無かった場合、もっと遠くに流されてましたね。・・・・・・よっと」
 明石のリールが巻き上げられていき、ザバァという音と共に今回のターゲットが姿を現す。大淀が近くに駆け寄る。
 「提督、今回も鳥海さんと同じ感じです。鎮守府の入渠施設に寝かせれば意識を取り戻すかと。それに撃沈したわけではないので艤装の損傷も酷くはありません」
 「では、全速で鎮守府に戻ろう。こんな所を他の艦隊に見られたら、妙な噂が立つからな」
 こうして日が昇り始める頃、佐潟鎮守府に斉藤達を乗せた偽装漁船が帰港した。なお、地元の漁師達とたまたま鉢合わせてしまい、ジロジロと偽装漁船を見られてしまうハメとなった。

続く
PR

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その44~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その2

 「戦艦が一隻行方不明になった?」
 日報を見ながら斉藤が声を上げた。撃沈なら戦闘でやられた事が想定できるが、行方不明というのはいささか妙だ。
 「この間の嵐がかなりの広範囲に及んだらしく、その嵐の範囲に遠征中の艦隊が巻き込まれた影響のようですよ」
 「かなり珍しい事が起きたみたいだな。これはひょっとしたら光明かもしれないぞ。後で、該当海域の情報を集めてみよう」
 サルベージに行こうとも今の鎮守府は、先日の大嵐によりいくつかの窓ガラスが割れ、執務室は雨漏りをし、プレハブ艦娘寮は屋根から何か外れるような音がし、風雨に中がさらされるといった悲壮な状態に陥っていた。各艦娘はそれぞれの鎮守府の修理に当たっていたため、その他の活動を行うには人手が足らなかった。後に斉藤が地元の漁師達に聞いた所、該当海域の海底は何故か岩がゴロゴロして網をしかけるには不適だと言う。潮の流れも比較的落ち着いているので、重量があるものが沈んだ場合、あまり海底を動く事はないらしい。かといっても今回は撃沈ではなく、行方不明扱いなので該当の海域から外れている可能性がある。翌日、大井を除いた3人に該当海域の見回りと称して魚群探知機を持たせ、行方不明地帯周辺の海底の情報を集めてもらった。それから3日後、金剛が所属していた鎮守府は捜索をあきらめたらしく、所属から外されていた事を確認した。
 「また、夜釣りなの?物好きね」
 「こんな格好は初めてですが、似合ってますでしょうか」
 「似合っているもないも、地味すぎる格好よ」
 沈没艦娘引き揚げ作戦の事を大井は夜釣りと呼んでいた。そんな大井をよそ目に初参加となる鳥海はいつもと違う格好に新鮮味を感じていたようだ。
 「船長。今日はどこの漁場に出かけるのでありますか?」
 いつもと違う口調で斉藤に声をかける潮。その様子をみて鳥海はさらに驚いていた。
 「今日の漁場はここだ!」
 斉藤が大きな紙を壁に貼りだした。紙には佐潟鎮守府を含む周辺の海域が描かれた地図である。
 「この数日、君達に魚群探知機を持って該当の海域に出撃してもらった結果。今回、我々が釣り上げるターゲットはこの辺りにいるのではないかと絞る事ができた。また、この辺りは遠征任務という現在の我々とは無縁の業務に追われている艦娘達がよく通る地域との事。つまり、今回1番注意しなければならないのは、友軍の艦娘達となる。もちろん深海棲艦もだ」
 「質問」
 「何だ、大井」
 「今回も偽装漁船に乗り込んで行くのはわかったけど、あの装備は何?」
 大井が指差した方向には偽装漁船があるが、今回は釣竿のような物が船の四方八方に括りつけられている。見た感じでは一本釣り漁船に見えるだろう。
 「あの装備で伊勢海老釣りに誤魔化してるのかしら?」
 「その通りだ。該当の海域の海底は底引き網とかには不向きな岩だらけで凸凹しているという。ちなみにアレは、釣竿のような物に偽装しているだけで魚を釣る機能はない。他に質問はあるかな」
 斉藤が聞き返した所、新たな質問は出てこなかったため、夜の闇が広がる海原と偽装漁船は出港していった。なお、鳥海は明石が点検をしていたマジックハンド等を見て、本当にアレで自分が引っ張り上げられたのかと終始疑問に思っていた。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その43~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その1

 先日、ル級以外を倒した佐潟鎮守府の戦闘結果を九州指令本部に送った所、新しい海域に出撃する許可がなんと出てしまったのであった。それを聞きつけたのか、菊地提督から斉藤に連絡が入り、“今の戦力で許可が下りた海域に出撃すると、敵の航空戦力に痛い目に遭う”と言われてしまった。聞けば、軽巡や駆逐で構成されている水雷戦隊にとって鬼門にあたり、砲撃戦に移る前に航空戦力によって被害を受け、戦力が落ちた状態で戦う事を余儀なくされるとの事だ。それに対抗するには対空機銃を搭載するか、こちらも航空戦力を整える必要があるという。機銃を搭載する場合は、搭載した艦娘の攻撃が落ちてしまうため、それを補う戦力が必要となる。
 しかし、困った事に出撃や修理、そして補給に資材を使いきってしまったために機銃の開発も新しい艦娘を呼び出す事もできないのであった。それを示すかのように艦娘を呼び出す機械には埃避けの布がいつの間にかかけられていた。ここしばらくは、漁船の警護をメインに運営している。
 「機銃の生産か。いざ、揃えようとすると全く出なくて他の物ができたりするんだよな」
 物欲センサー。欲しい物があるときランダムで出てくるような決まりがあると全く出てこなくなる現象である。都市伝説の類かもしれないが、このような事を経験した事がある人は多いのではないだろうか。斉藤もゲームではあるが、似たような事は経験した事がある。
 「戦力を増強するにしても戦艦や空母が沈んだという報告は入っていませんね」
 大淀が印刷された日報を渡してくれた。今の所、日本付近の戦闘では大きな戦闘が起きている状態には至っていない。斉藤達が行っている戦闘はあくまでもその海域の制海権を取られないための見回りという意味合いがある。
 「今後のこの鎮守府の活動には、まず戦艦が必要だ。空母でもいいが、砲撃火力を向上させたい」
 重巡よりも長距離の射程を有し、相手の並みの重巡や軽巡を一撃で沈められる砲撃力を早めに整えておくのは必要である。
 「やっぱり工廠の機械は使わないんですか?」
 「そうだな、使いたくないな。駆逐艦や軽巡洋艦を増やすの1つの手かもしれないが、補給や入渠に使う資材が増えてしまうだろう?増やすなら、確実に戦艦や空母がいい」
 「となると、やっぱり鳥海さんのように一本釣りですか?」
 「そうだな。そうしたいな。いつまでも待つわけには行かないから、決断しないとな」
 磯波との会話をやりつつ、窓の外に視線を向ける。外には、この間の嵐を起こしたようなドス黒いが出ていた。
 「嫌な雲だ。こっちに来るんじゃないか?」
 斉藤の不安はこの後、的中するのであった。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その42~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その10

 「終わりよ!」
 大井が叫ぶと同時にホ級めがけて射撃する。大井の砲弾はホ級の偽装を弾き飛ばし、どこで覚えたのか、ソバットをホ級に叩きこんだ。蹴りをまとも受けたホ級が悶え苦しんでいる所に魚雷を放ち、爆発と共に海底へと沈んでいった。これで当初の目的であるル級以外の深海棲艦を倒す事は達成した。その後の戦闘では、ル級を中破状態にまで追い込んだが倒しきれずに逃がしてしまうという結果に終わった。
 「ホ級はソバットからの魚雷の連携攻撃で撃沈っと。そういえば今回は敵・軽巡がホ級でしたね」
 大淀が作戦状況の記録をつけながら今回戦った相手について喋る
 「たまたま欠員か出たか非番の代わりで入ったのだろう。このホ級にとっては災難だったな」
 たしかに今回はヘ級ではなくホ級であった。しかし、戦力規模から見てここの主力艦隊には間違いないだろう。大淀は今回の戦闘結果をまとめて本部へと転送した。
敵勢力被害状況
ル級:中破
チ級:撃沈
ホ級:撃沈
イ級:撃沈2
自軍勢力被害状況
潮:軽微
鳥海:中破
 しばらくして、朝日が港を照らす頃に4人は鎮守府に帰還した。

第7章に続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その41~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第六章・その9

 「撃ちます!」
 鳥海の20.3cm連装砲から砲弾が発射される。砲弾はチ級めがけて飛んでいくが回避される。
 『慌てるな!複数の砲撃で確実にしとめるんだ!』
 斉藤からの通信が入る。複数人で撃つにしても鳥海は砲身内の弾薬を撃ちきったためリロード中のためすぐには撃てない。
 「鳥海さん!私達がチ級を撃ちますので、鳥海さんはル級とホ級を砲撃で牽制してください!」
 「わかったわ!頼むわよ!」
 「皆さん前進です。射程内に捉え直します!」
 磯波の合図と同時に加速して敵艦に接近する。それを狙っていたのかル級が砲撃する!
 
ズガァン!
「ああっ!!」
 
 放たれた砲撃は鳥海に直撃!だが、大破ではなく中破程度の損傷に留まっていた。どうやらル級は威力重視の大口径主砲ではなく、命中率が高い副砲を使ったようだ。
 「この位なら計算通りです!皆さん、気にせず行きましょう!」
 この発言は虚勢なのか狙った物かはわからない。
 「う、撃ちます!」
 
ズガーーン!!
ドゴォ!
ギャアアアアアアア!!
 
 どことなく人の叫び声に似た感じの声を上げて、チ級は沈んでいった。
 「私がホ級を沈めるわ。ル級の行動を封じてくれる?」
 「わかりました。お願いします!」
 磯波からの返答を受けた瞬間、大井は魚雷をホ級とル級の間に割り込むように魚雷を放り投げる。進路上に進んでくる魚雷の所為でホ級は減速をせざるを得ず、ル級との距離が離れる。その間に割り込むように4人が入り、Yの字に分かれるようにホ級とル級を追い始める。
 「さあ、あなたの相手は私よ!」
 意気揚々と宣言し、リロードを行いながらホ級に向かって突き進む。
 「待ちなさ~い」
 ル級を追っている形となった3人は砲塔を構えながら進んでいく。
 『大井との距離に注意しろ!離れすぎるな!」
 斉藤からの忠告が飛ぶ。今回はあくまでル級以外の艦を全滅させるのが目的だ。
 
バンッ!
 
 磯波が撃つ。駆逐艦1隻の砲撃で戦艦クラスを沈めるのは非常に難しい。だが、磯波が放った砲弾はル級の砲身に当たった。
 
バンッ!
 
 間をおいて潮が撃つ。これまたル級の砲身に当たる。
 「射撃訓練は沢山やってます!」
 
ドゴン!
 
 再び間をおいて鳥海が撃つ。砲身当たると同時にル級が砲撃する。しかし、砲身に当たった影響か砲弾はまったく別の場所に飛んでいく。3人の目的はル級の射撃妨害であった。

続く

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

リンク

フリーエリア

プロフィール

HN:
SHIN
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R