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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その50~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その3

 『こちら本部。今回の出撃の内容を確認する。今回の出撃は該当海域における敵航空戦力の規模を確認する事だ。敵深海棲艦を発見した場合は攻撃を許可するが、やり過ごす事も構わない。なお、交戦により大破レベルの損害を受けた艦娘が出た場合は速やかに帰投するように。以上だ』
 無線機から斉藤の声が流れてくる。二線級の戦場とはいえ、用心に越したことはない。鳥海が偵察機を発艦させ、周囲の状況を探る。いつの時代もどのような世界でも油断は大敵である。
 「イエース!腕がなるデス!」
 先程まで愚痴をこぼしていた金剛が声を出す。色々、言って気が晴れたのだろう。しばらくして、艦載機からの連絡が入った。連絡によると、軽巡1隻と駆逐3隻による水雷戦隊が進行方向にいるという。航空戦力はいないが交戦する事を斎藤に伝え、艦載機が戻ってきた後に突撃する事に決めた。
 「撃ちます!ファイアー!!」
 掛け声の後に、金剛の35.6cm連装砲から砲弾が発射される。発射された砲弾は駆逐ロ級の1隻に命中し、不快な断末魔をあげながら水底に沈んでいった。
 「イエース!このまま行くデスよ!」
 今いる艦隊の位置には、敵艦隊の装備では届かない位置にいるため、その範囲内に捉えようとスピードを上げて迫ってくる。一方、5人はその範囲に入らないようにつかず離れずの距離を保っている。この距離のままなら、金剛による一方的な砲撃が可能だ。
 「もう一発、撃ちます!ファイアー!!」
 再び金剛の35.6cm連装砲が火を吹く。今度は軽巡ホ級に命中し、敵の旗艦が水底に沈んでいった。それでも残った駆逐イ級達は逃げもしようとしない。そこまで考える頭脳はないのだろう。まさに鉄砲玉である。磯波達も向きを変えて接近する。大井と鳥海の射程に入った瞬間、2人の砲撃で沈んでいった。
 「露払いっと言った感じかしらね」
 「そうでしょうか。航空部隊の哨戒役としては手応えがなさすぎます」
 「では、艦載機を飛ばします」
 磯波と大井の会話を聞いた鳥海が偵察機を青空に向けて放った。

続く
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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その49~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その2

 「ところで金剛の事だが・・・」
 「金剛さんですか?どうかしたんですか?」
 「海底から引き揚げた時の後遺症だが、錬度のリセットと記憶の欠落以外、何か認められる物はあったか?」
 「いいえ。そう言った感じの物は見受けられませんでした」
 「そうか、気になる点があってな。大淀、艦娘は皆、泳げるのか?」
 「はい。皆さん泳げますよ。泳げない艦娘は私が聞いた所や資料にも書いてありません。あくまでも私達は海軍に属しますから泳げるのはデフォルトなのでしょう」
 「そうか・・・。泳げるか・・・」
 そう言うと斉藤は執務室を後にした。しばらくして、金剛が黄色い声で斉藤を呼ぶ声と大きな水しぶきの音が聞こえてきた。鳥海の慌てふためく声が響いてくる。声の調子から、斉藤が金剛を海に投げ込んだようだ。
 「大淀。ウチの金剛は泳げない事がわかったぞ。正式には泳げなくなったというのが正しいな」
 わざわざそれを確かめるために金剛を海に投げ込んだのだ。一方、金剛は投げ込まれた事よりも泳げなくなってしまった事にショックを受けて落ち込んでしまったのだ。
 「夏のビーチは、浮き輪ガールデス・・・」
 等と夕食時に呟く始末だ。翌日の漁船警護の仕事においては、漁船に備え付けている浮き輪をつけようとしたらしい。開いてはいけないパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。
 「はう~。やっぱりガッカリデス!」
 海上を進軍中に金剛が呟いた。金剛が港で溺れた日から数日経つが、まだ気にしていたようである。
 「大破した状態で相手の攻撃を受けて艤装が壊れてしまったら、浮き輪をつけてても沈んでしまいますよ」
 轟沈経験者は語る。破壊されて機能を停止した艤装はコンクリートのような重さになるという。
 「折角、夏になったら水着でテートクをノーサツしようと思ったのに!ブー」
 「べ、別に浮き輪をつけててもいいんじゃないかしら?(北上さんと浮き輪。ぷかぷか浮かぶ北上さん!これもいいわ)」
 そんな事を考えながら5人は進軍を続けていた。幸先が不安である。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その48~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その1

 ある日の午後。鎮守府の片隅で艦娘達が七輪を囲んで干物を嗜んでいる。その中には紅茶好きの金剛の姿もある。
 「聞きましたか?今度、出撃許可がでた海域に行くようです」
 「その話は本当ですか?事前の情報では敵に航空戦力がいると聞きましたけど」
 「この鎮守府に空母の艦娘はいないわね。このまま対峙したら、航空戦でボロボロにされるわよ」
 「この鎮守府に対空機銃の類はありましたか?」
 対空機銃。7.7mm機銃系列の装備であるが、佐潟鎮守府にそんな物はなかった。さらに、磯波と潮には艦載機には嫌な思い出があった。菊地提督の所の翔鶴と模擬演習をする事があったのだが、何もできずにペイント弾まみれにされてしまったからだ。
 「空母がいない場合、対空兵装がないと厳しいデス」
 「また威力偵察でしょうか」
 5人の艦娘は一抹の不安を感じていた。干物のしょっぱさが身に染みる。
 
 「お、金剛も干物を食べるようになっていたか。それならこの鎮守府でも上手くやっていけるだろう」
 先日、食堂兼調理場からけたたましい悲鳴が聞こえて様子を見に行った所、金剛が口に山ほど干物を詰め込まれてぶっ倒れていたのだ。誰の所為かは分からなかったが干物嫌いにならなくて良かったと斉藤は思った。この鎮守府で干物が嫌いで食べられないとなると食べ物に困る事だろう。本当に四六時中紅茶を飲んで過ごす事になったことだろう。
 そんな風景を見ながら今度進撃する海域の情報を確認した。資料には空母系の深海棲艦画出没するとの情報である。いくら2戦級の戦場と言えども空母は空母だ。従来の砲撃戦とはまた違った戦闘になるのは確実だ。空から攻めてくる艦載機も相手にしなければならない。空母系の艦娘や対空機銃等の装備がない状態では制空権を取られてしまうのは明白であった。明石に頼んで作ってもらうのも一つの手であるが、金剛の偽装の修理や今度の出撃用の資材のため、工廠を動かす事もままならなかった。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その47~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その5

 「やっぱり紅茶は最高デ~ス」
 コンビニから戻ってきた金剛は、食堂兼調理場で舌鼓をうっていた。安物の紅茶パックではあるが、今の彼女にとっては飲めないよりはマシなのであれでいいのだろう。干物の香ばしい匂いとは違った香りが鎮守府に漂う。金剛が出かけている間に大井に金剛の事を聞いてみた所、前の鎮守府には金剛はいなかったが、その姉妹艦の“比叡”がいたという。ただ、何かあれば姉である金剛の事を言っていたという。聞いた所、やたらと金剛の事を褒めまくり、うんざりするほど語ってくれた。もちろん紅茶も飲むだが金剛がいないと味気ないとボヤいたそうだ。菊地にも連絡を取ってみた所、まずは戦艦が来た事を喜んでくれた。金剛は菊地の鎮守府に所属しており、3食よりも紅茶を飲む事が大好きである。放っておくと自分で焼いたスコーンと一緒に四六時中紅茶を飲んでいる事もあるらしい。どうやら、金剛の紅茶好きは標準設定で料理スキルもあるらしい。提督に対する友好度も高く鎮守府内が一気に賑やかになる事は間違いなく、戦闘面でも“高速戦艦”の足の速さをいかして動いてくれるという。重巡より長い射程を持つ35.6cm連装砲であれば、空母や戦艦の装甲にも対応できるようになる。新しく進行が許可された海域で空母に遭遇したとしても、相手の艦載機が飛べないくらいの損傷を与えやすくため、対抗しやすくなった。次の海域への出撃へ策を考えていた所、食堂兼調理場の方から派手な音が聞こえた。
 「What!潮、ど、どうしたデスか?」
 食堂兼調理場のドアを思い切り開けた潮は何やら肩で息を切っていた。衝撃でドアの蝶番が外れかかっている。
 「あなた!この匂いは何ですか!?私が作った特製のタレが染み込んだ干物が食べられないと言うんですか!!」
 潮の手には香ばしい香りを放つ干物があった。それを見せ付けながらジリジリと金剛ににじり寄る。身の危険を感じた金剛は、紅茶が入ったカップを持ちながら席を立つ。
 「お、落ち着くデース!そんなつもりはないデス!」
 「ほお?じゃあその手に持っている物は何ですか!?しかも干物を吊るしている所を魔除けとか言いたい放題言ってましたね。聞こえてないと思ったんですか」
 潮は干物と干物につけるタレに何故か非常に強いこだわりを持つ。干物を貶されたと思ったのだろう。
 「ワ、ワタシは単に紅茶が好きなだけデース。べ、別に魚が嫌いと言った訳では・・・・・・」
 「では、干物を食べてくれるのですね。この干物の素晴らしさをたっぷりと教えてあげます!潮、参ります!!」
 天井に届きそうなくらい高く飛び上がり、両手に持った干物を金剛に向けて投げつける。金剛は間一髪それを避けたが、干物は床に突き刺さる。
 「What!?それは干物とは思えません!」
 「何を言っているんですが、私が干した干物は深海棲艦の装甲すら切り裂きます(ためした事はない)。さあ、後はもうありませんよ」
 「て、テイトクー!助けてください!テイトクー!Help me!」
その叫びは届かず、金剛の口に干物が無理やり押し込まれる。金剛はその場に崩れ落ちた。瞬く間に静寂が訪れ、金剛の口にコレでもかと干物を詰め込んだ潮の顔には達成感が浮かんでいた。潮が窓に顔を向け、青空と青い海を見つめる。窓から入りこむ風は干物ような潮の香りを運んでいた。

第8章へ続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その46~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第7章・その4

 「何?風呂で気絶してた?」
 磯波から入渠していた金剛について報告が入る。先程けたたましい悲鳴が入渠施設から聞こえたため、様子を見に行かせたのだ。
 「はい。どうしましょうか」
 「下手に動かすのはまずい気がしないでもないが、起きるのを待つしかないだろうな。まあ悲鳴を出せるほど回復したなら、身体的には問題はなさそうだな」
 金剛が目を覚ますまで引き続き待つことにしたのだが、その後、3回悲鳴と気絶を入渠施設で繰り返し、斉藤達と邂逅するのに丸1日要する事となった。
 「No・・・。信じられまセーン」
 邂逅一番、ここが鎮守府である事を告げられた金剛が発した台詞だった。
 「目を開けたら、オンボロな屋根が真っ先に目に入りましたー。それにアレはなんですか!?新しい魔除けか何かデスか!?」
 金剛が窓の向こうに指をさす。その先には潮が捌いた魚が吊るされているのが見える。おそらく干物を作っている所を見たことがないのだろう。
 「一体あの魚達は、生きている時にどのような罪を犯したというのデス!?そして私にはどのような罰が!?」
 罰という言葉を聞いて、斉藤と磯波はあっけに取られた。どうやら彼女は大きな誤解をしているようだ。この鎮守府を地獄とでも思っているのだろうか。
 「What?ここはヴァルハラでもないんデスか?」
 当たり前だ。こんなオンボロな鎮守府で各資材や食料等も物資も満足に支給されない上に、居住環境レベルも風雨をしのげる程度の見かけだ。最初から一部の機材は壊れているか異様にボロかったりしている。その中で電気やガス、そして給料がきちんとしているのが奇跡に近い。
 「NOooooooo!!」
 頭を抱えて大声で叫ぶ。動作がいちいち大袈裟だ。この金剛という艦娘はこうなのだろうか。大井に今度聞いてみたら何かわかるかもしれない。
 「ううー。あまり文句は言えないけど。これならヴァルハラの方がマシな気がしマース。でも、ティータイムをまた楽しめるから仕方ないデス」
 「ティータイム?ここには紅茶はない。メインは干物だ」
 「Hi・mo・no?それは何デスか?」
 「さっき魔除けといった魚の事だ。あれを食べるんだ」
 「Oh My God!」
 資料によると金剛はイギリスから帰国子女的な感じの艦娘であるという。実際の“金剛”はイギリスで作られた後、日本にやってきたという経歴を持つ。幾らなんでもイギリスにも魚料理はあるだろう。干物があるかはわからないが。
 3時になった。何処からともなく香ばしい匂いが漂ってきた。潮が作った特製タレが染み込んだ干物を焼いているのだ。普通3時のおやつといえば、スーパーやコンビニで売っている御菓子に舌鼓を打つのが普通だろう。しかし、佐潟鎮守府は違う。干物だ。ここではお菓子の変わりに干物をつまむのである。毎日マシュマロを焼くが如く、干物が焼かれる。
 「Oh,NO!これでは高血圧になって死んでしまいマース!ここはやはり、紅茶等を嗜むべきデス!」
 「そんな事を行っても紅茶が売っているお店はコンビニくらいなものだぞ」
 「じゃ、じゃあそのコンビニに買いに行くデス!」
 斉藤がコンビニがどこにあるか地図を見せて指し示すと、またもや悲鳴を上げ、
 「ここは文明から切り離されていマース!!」
と叫ぶ。コンビニが近くにないだけでそこまで表現するものだろうか。やはり大袈裟である。いつまでも騒がれてても困るので、金剛にお金を渡して軽トラで買いに行かせた。

続く

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