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東都幻想工房

同人サークル・東都幻想工房の近況等を報告するブログです。 また、二次創作小説等も掲載しています。

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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その55~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その8

 「上空に友軍の偵察機らしき影を確認!」
 磯波達が向かう先では、南さつま2123艦隊の面々が深海棲艦との挟撃を受けている所だった。2艦隊に追われ、脱出しようとも攻撃により移動を阻害されてしまい、それは叶わない状態であった。
 「通信機が完全に繋がらなくなりました。指令官との連絡が取れません!」
 「このままだと嬲り殺しにされるだけだ。夜戦に持込めれば何とかできそうだが・・・・・・」
 「夜が来る前に全滅しそうです!」
 白雪、川内、五月雨がそれぞれ叫ぶ。
 「あの後、10分以内に増援が来ると言っていましたが、先程の偵察機らしき物は味方の物なんでしょうか?」
 古鷹が上空を再び見上げる。長い。10分以内に来ると言われてもこの状況では1分ですらとても長く感じる。砲弾や魚雷、艦載機の攻撃を何とか致命傷を受けないように動き続ける事に神経を集中させる。それでもじわじわとダメージは広がっていく。古鷹や五月雨が、反撃で撃ち返すが、中破状態では有効打にはなりにくい。駆逐艦の砲撃も同様であった。
 「前から敵艦載機来ます!」
 ル級と艦隊を組んでいるヌ級から飛び立った艦載機が襲い掛かる。逃げ場を無くすように敵の増援部隊の駆逐艦から砲撃が行われ、水柱が近くで上がる。
 
ズガガガガガガ!
 
 「ぐっ!」
 比較的損傷が少なかった川内を狙い打つかのように攻撃が行われ、ダメージを負う。気がつけば小破なのは白雪だけで有り、残りは中破及び大破状態であった。もう持たない。その場にいた誰しもが思っていた。敵増援艦隊にいるヌ級2体の口がゆっくりと開く。あそこから艦載機が飛び立つのだ。
 
ドゴオォッ!
 
 突然、1体ヌ級の背中が爆発する。衝撃で水面に前のめりで倒れるが、致命傷に至らず中破程度の損傷のようだ。しかし、場の空気を固めるのには十分であり、誰しもが攻撃を止めて、砲弾が飛んできた方向を見る。
 
 「イエース!当たりました!」
 「提督!友軍を発見しました!」
 佐潟2174艦隊がついに到着したのであった。

続く
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~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その54~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その7

 進軍途中、小規模な深海棲艦と遭遇し交戦を行ったが、特に損害は出ずに終わった。前回、ヌ級と交戦した海域に差し掛かかる所から偵察機を飛ばしているが、中々見つからずにいた。日も傾き始めていた。
 「こういう時に限って見つからないわね。どこをほっつき歩いているのかしら?」
 「折角、機銃も持ってきたのに拍子抜けですね」
 「このままだと日が暮れてしまいます。夜戦になってしまった場合は艦載機は飛びたてませんから、機銃のテストが出来なくなってしまいます」
 斉藤にその旨を連絡し判断を仰いだ結果、今日の出撃はこれまでと決まった。しかし、母港に戻る途中、事件が起こった。
 『こちら・・・南さつま・・・艦隊。・・・の・・・援に遭遇・・・急、救・・・・・・・・・む』
 激しいノイズ音と共に途切れ途切れとなった声が無線から流れてくる。周波数を調べると、緊急用の非常無線帯である事がわかった。
 『こちら本部。磯波、今の通信はどう思う?』
 「ノイズが酷くてはっきりとは聞こえませんでしたが、おそらく救援要請だと思います」
 『なら助けに行くぞ。装備の弾薬量と燃料は十分だ。折角の機会だ、このような非常事態に対応するのも必要だ。戦艦と空母は覚悟しておけ』
 たとえ2線級の戦場といえども、相手に増援艦隊が来てしまったらそれなりの錬度がない艦隊では、増援も含めた敵艦隊と立ち回りは難しい。苦戦は必死だ。
 『こちら、佐潟2174艦隊。貴隊の救援要請と思われる無線を聞いた。何があった?繰り返す。こちら、佐潟2174艦隊。何があった!?』
 斉藤が通信を送るが返答はなかった。そもそもノイズが酷いため、向こうにこちらの通信が届いているかどうかも怪しい。それから何回か通信を送り続けたが、一向に返答がない。やられたか?2線級の戦場とはいえでも運悪く、敵の増援部隊を呼ばれたり鉢合わせしてしまう事もあるだろう。避けられぬ悲劇もあるのかもしれない。
 『こちら南さつま2123艦隊陣内提督だ。通信に出てくれた事を感謝する』
 「何があったんだ?」
 突然、相手の鎮守府の提督が通信に出てきた。
 『我が艦隊が交戦中に、他の敵艦隊が加勢した状況に陥った。まず、現在の状況だが、敵には戦艦1、軽空母が3健在している。こちらは、加勢した軽空母の攻撃で鳳翔が中破。制空権を喪失。攻撃の要の古鷹も中破。残りも中破及び小破だ。軽巡と駆逐だから中々、いいダメージは与えられない』
 このままでは全滅は必至だ。すぐさま、大淀に位置を特定してもらった。磯波達がいる地点から全力で飛ばせば、10分程度で到着できる距離だ。
 「状況を把握した。こちらには空母はいないが撤退支援はできるはずだ。10分粘るようにそちらの艦娘達に伝えてくれ!」
 『すまない。協力に感謝する!』
 通信を一旦切り、磯波達向けて発信する。
 『聞いた通りだ。友軍の撤退を支援する。大淀が示してくれた方向に向かって全力で進撃しろ!10分以内に友軍と接触するんだ!金剛は長距離攻撃で軽空母を狙え!磯波と潮は機銃で敵艦載機に向けて牽制しろ。大井と鳥海はその他の戦艦等の動きをひきつけるんだ!以上だ!』
 「了解!全速力で向かいます」
 機銃テストの出撃が、友軍の撤退支援の任務に切り替わった。また違う緊張感を感じながら、友軍のいる方向へ進んでいった。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その53~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その6

 数日後、明石に頼んでいた対空機銃が完成したので、早速、受け取りに工廠に赴いた斉藤であった。工廠の作業台の上に2つの機銃が並べられていた。よくに見ると微妙に違う。
 「提督、お待たせ致しました。依頼物が完成しました」
 「2つあるようだが微妙に形が違うように見えるな。右側が少し大きいかな」
 「さすが提督、その通りです。こちらが7.7mm機銃。そしてこちらが12.7mm機銃になります」
 「7.7mm機銃と12.7mm機銃は形が似ているがどう違うのだ?」
 「えーー、単純に言ってしまいますと上位互換です。とにかく、敵艦載機を撃ち落す事について機銃は基本中の基本です。これなら主砲で狙うよりも効率がいいです。早速、試し撃ちもとい実戦で使ってみてください」
 明石によるとほとんどの艦娘がこの機銃を装備する事が可能であるようだ。現在攻略中の海域の状況を考えると、高速戦艦や重巡の火力は落としたくないので、艦載機に苦い思い出がある磯波と潮にそれぞれ持たせる事にした。丁度、出撃分の燃料は溜まっていたので、早速出撃する事となった。
 「日が高い時に出るのは新鮮ですね」
 既に時間は昼を回り、14時になろうとしていた。今回は対空母戦との戦闘経験をあげるためと斉藤は言っていたので、主力部隊の撃破ではなく、近くにいる適当な空母を有する艦隊と交戦するのが目的であった。
 「とにかく、以前に軽空母が出てきた海域に向かいましょう」
 磯波がそう言うと、鳥海が偵察機を飛ばした。

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その52~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その5

 「各艦、対空戦用意!」
 磯波の掛け声と同時に全員が砲塔を上空に向け、敵艦載機が接近してくると同時に主砲を発砲する。対空機銃ではないので、効果はお察しであった。艦載機にはロクに当たらず、艦載機からの銃撃、魚雷攻撃を受けてしまったのだ。その結果、磯波と金剛が小破、潮が中破程度のダメージを受けてしまった。
 「あーもー、最悪デース」
 空母がいない場合は対空機銃等、敵艦載機に対向できる有効な装備がなければ被害が大きくなる。今回はその良い例であった。この海域やそれ以降の海域に出る度、空襲に遭うだろう。佐潟鎮守府に空母が配備される日が一日でも早く来て欲しいと願うばかりであった。艦載機が戻っていった方向に進行を続けいた一行は、海上を進む人影を発見。間違いない深海棲艦である。相手深海棲艦の数は6隻。軽巡が2隻、駆逐が2隻、そして大きな中華鍋を深々と被ったような深海棲艦が2隻。大井によると軽空母のヌ級との事だ。先程、空襲を仕掛けてきたのはこのヌ級だったのだ。相手もこちらの姿を確認したのか、向きを変えこちらに迫ってくる。それにあわせるかのように、ヌ級の口が開きそこから艦載機が発進してくる。この距離では金剛の砲撃も届かない。
 
ガガガガガガッ!チュドーン!チュドーン!
 
 「きゃああ!」
 先制の航空攻撃により磯波がダメージを負い、中破状態にされてしまう。
 「リベンジです!ファイアー!!」
 金剛がヌ級に向けて砲撃を行う。事前の情報によると、空母系の相手は中破状態まで損壊させれば、艦載機は飛ばす事ができなくなるのだ。しかし、ヌ級への砲撃を駆逐イ級が庇った。イ級は沈んでいったがヌ級は無傷であった。
 「むかつく事をするわね」
 大井と鳥海が射程圏内に入った深海棲艦に向けて砲撃を行う。残っていたイ級とヌ級に命中。イ級は撃沈したが、ヌ級は小破といった所だろうか。若干、艤装が壊れた程度に留まっている。
 「すみません。効果的なダメージではないようです」
 相手の軽巡ホ級が一斉に魚雷を放つ。それに負けじと、大井と鳥海が魚雷を放つ。磯波と潮は中破状態のため魚雷を放つ事ができない。それに合わせるかのようにヌ級から艦載機が飛び立ってくる。
 「全員、増速!魚雷のコースから退避し、艦載機への攻撃に対応してください!」
 
ガガガガガガッ!
 
 再び、艦載機の攻撃に晒されるが何とか直撃を避ける事に成功する。回避後すぐに金剛と磯波、潮の3隻同時砲撃で手負いのヌ級を1隻沈める事が出来たが、このまますれ違うように深海棲艦と離れていき、戦闘は終了となった。
 「今日はもう戻りましょう。このまま進撃しても十分な打撃を与える事はできず、被害を拡大させるだけです」
 「それには賛成です。この先にも空母を伴った艦隊がいるはずです。見つかる前に戻って体勢を立て直しましょう」
 磯波の提案に鳥海が同意する。他の3人も同じ意見であった。斉藤に連絡後、鎮守へ戻っていった。
 
戦闘結果
 味方被害状況
  ・磯波:中破
  ・潮 :中破
  ・金剛:小破
  ・鳥海:軽微
  ・大井:軽微
 
 戦果
  ・駆逐イ級:4隻撃沈
  ・駆逐ロ級:1隻撃沈
  ・軽巡ホ級:1隻撃沈
  ・軽空母ヌ級:1隻撃沈

続く

~艦隊これくしょん 佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:その51~【二次創作小説】

この小説は艦隊これくしょん~艦これ~の二次創作小説です。

佐潟2174艦隊・オンボロ鎮守府:第8章・その4

 進撃中、偵察機から通信が入った。どうやら、進軍している敵艦隊を発見したようだが、次の瞬間、鳥海は顔を歪めた。
 「どうしたんですか?」
 「偵察機から敵艦隊の情報の連絡があったのですが、突然変な音がして途切れてしまったのよ」
 偵察機未帰還。すなわち、偵察機が敵に撃ち落された可能性が非常に高い。艦載機が飛び去った方向を一同全員で視線を送る。
 『どうした?戦闘区域のど真ん中で止まっていると的になるだけだぞ』
 「提督、実は・・・」
 磯波は偵察機が戻ってこない事を簡単に説明した。
 『成程。それなら尚更、そこに留まっているのは危険だ。空母を含む編成なら敵の艦載機がすぐに飛んでくるかもしれないぞ。今すぐ、決めるんだ。引き揚げるか、それとも進撃を続けるか。磯波、君が決めるんだ』
 斉藤からの通信を聞いた磯波は、一息ついてから、
 「わかりました。このまま進みます」
 『わかった。偵察機の補充の用意を明石に伝えておく。無理だとわかったらすぐに逃げろ。以上だ』
 「了解しました。皆さん行きましょう!」
 偵察機が消息を絶った方向へしばらく進撃を行うと上空に黒い小さな影が見えたと潮が言った。広大な大海原から見える空に小さな影といえば、渡り鳥であれば風流であるが、今のご時勢それは期待できない。友軍の偵察機の可能性があるが、周囲に友軍がいる情報はない。残った答えは、深海棲艦の偵察機という事になる。もし、相手の艦隊に空母がいれば、攻撃機や爆撃機を飛ばしてきてこちらを攻撃してくるだろう。誰しもが航空攻撃を予想していたが、それは現実となった。進撃方向の空より、黒ゴマのような小さな影がいくつか見えてきたのだ。それは一直線に磯波達に向かってきたのだった。そう、深海棲艦が航空戦を仕掛けてきたのだ。

続く

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